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金井山城登山の終盤、後はケーブルカーで下山して、東莱パジョンと冷たいビールで乾杯だなあ…と足取りも軽く、南門からケーブルカー乗り場へ向っておりました。
途中、お店の店主と思われるアジュマが、「何処行くの?」と聞くので、ケーブルカー乗り場です。と答えますと、ダメだと仰るのです。
言葉がすべて聞き取れないのですが、月曜日は休み的な事が聞き取れたので、凍り付きました。

「今来た登山道をまた引き返す?とにかく、引き返す人について行こう。」
南門まで引き返し、そこにいる人に、バス乗り場は何処に行けば良いのか、聞きますと、東門近くのバス停まで戻らなければいけないと言うのです。

もう夕方なのに、バス停の場所などなかったし、どうしよう…
3人で立ちどまっていると、笑顔のアジョシが私達に話しかけてきます。
「バス停まで一緒に行きましょう!今人に聞いてきたから道は分かるよ!」と。
私達は全く覚えていなかったのですが、
「あなた達が笑顔で気持ち良く挨拶してくれたから、覚えていたよ。」とご夫婦は答えるのです。
ご夫婦は、私達の足を心配してか、ゆっくりと前を先導して歩いて下さりました。
お陰で私達は無事東門バス停まで辿り着く事が出来ました。

バスに乗ると、引き返した登山客でバスは満員。
グネグネ道の中、なんとか踏ん張りますが、よく考えると、ケーブルカーで降りてからの道順しか考えていなかったので、何処のバス停で降りたら良いのか分からないのです。

バスはぎゅうぎゅう詰めの満員。
リュックから地図を引っ張り出す事も、出来ません。
とにかく耳を澄ませ、何か知っている場所で降りようとしますが、全く土地勘がないので分からず。
唯一知っている駅名は、とっくに通り過ぎ、後は昔の自分の記憶しかもう頼れません。

小さな市場のような場所が見えたので、すぐに飛び降りました。
Wi-Fiも持たず、もうどちらに行けば良いか分かりません。
と、同じバスに乗っていた、先程のご夫婦が同じ場所で降りていて、私達に軽く会釈をして下さいました。

私「すみません、ここのパジョン通りに行きたいのですが、道が分かりません。」
ア「私達はソウルから来ているから、この辺りは分からない。でもどこに行きたいの?お店の名前は分かる?」
私「この紙の写真しかなくって、お店の名前は忘れました。」
ア「ちょっと、この紙をよく見て」と、奥様に紙を見てもらいます。
ア「ソムンナンパジョン?」
私「そうです!その名前です!」

すると、アジョシはその小さな市場の角っこ辺りに行き、私の持って来た紙を高く掲げ、
「誰か!パジョン通りを知っていますか?ソムンナンパジョンは知ってますか?パジョン通りは知りませんか?ソムンナンパジョンは知りませんか?」
そうやって、周りの人に呼び掛けるように、大きな声で歩いている人々に話しかけて下さるのです。

私は、突然の出来事に、涙で喉が苦しくなるように詰まり、目頭に涙が溢れました。
すると、1人の方がご夫婦のスマホの地図でこの辺りだと教えて下さりました。

するとご夫婦は、私達にまたもや「一緒に行きましょう!」と笑顔で言って下さるのです。
私達よりも年上と思われるご夫婦の足は、登山後でどれだけ疲れているか…
それなのに、偶然登山で挨拶を交わしただけの、見ず知らずの日本人を助けて下さっている。
私はありがたくて、嬉し涙がずっと目の端にたまっておりました。

途中、ご夫婦はソウルから旅行に来ている事、虚心庁で温泉に入り、東莱のホテルに宿泊される事などを明るく楽しそうに話して下さり、私達も福岡から久しぶりに韓国に船で旅行に来て何日滞在するなどと話をしておりました。

虚心庁を少し通り過ぎた時、何となくここの道を行けば良いと記憶が蘇りました。
そうして、ご夫婦に「ここで大丈夫です。大変親切にして下さりありがとうございました。お幸せになられて下さい!」と挨拶をしますと、
「ここの道をずっと行ってあの辺りだからね。私達もパジョン通りがあるなんて良い事を聞いたなあ!ありがとう!」そうご夫婦は仰いますと、
お互いに笑顔で手を振って、それぞれの場所に歩き始めました。

私達は無事にお店に辿り着き、美味しい金井山城マッコリと、東莱パジョンを食べる事が出来ました。

登山で挨拶を交わしただけの、見ず知らずの外国の人に、私だったらここまで笑顔で接して、助けてあげる事が出来るだろうか?
そう考えた時、私は心からご夫婦がこれからも幸せでありますようにと願いました。

bianさん

毎回楽しく読まさせて頂いています。行く先々での出会い、親切や助けはきっとbianさんが素敵な方だからだと思います。偶然のようで必然の出会いではないでしょうか？他の人が同じルートで行ってもこうはなりません。それと同じ体験をしても何も感じず一瞬で記憶にすら残らない人も多い中、感受性高く、感謝の心を忘れないbianさんならではの体験ですね。幸せでありますようになんて考えた事すらなかったです私反省。
さて東菜パジョンお味はいかがでしたか？
昔、私の周りで釜山ブームだった事があります。毎週月曜日には職場の机にチョコパイ情が乗っていた程。必然的に釜山でどこ行った、何したの情報交換がされていたのですが、その中で東菜パジョンを食べてきた!って人がいて思わず、おおあの高級パジョン!恐れ入りました～と釜山旅行エピソードのヒエラルキートップに立ったのでした今でこそパジョンの値段も上がりましたが１０年程前の東菜パジョンの値段はあり得ない価格で、憧れもありますが、わざわざ行って食べる価値がある物か謎だったのです。きっと今はもっと値上げしいてるのでしょうね？良ければbianさんの感想をお聞かせ下さい。

bianさん、こんばんは！
無事にパジョンのお店にたどり着くことができてヨカッタです！
（そして、パジョンがとても美味しそうです）

途中、ハラハラドキドキしました～。
山で、予定の交通がダメで、道もよくわからずで、
疲れているのにバスぎゅうぎゅうで、バス停もよくわからずで…。
と、自分だったら、心細さと疲れで、
どうしたらいいんだろう～～とホント泣きたくなったと思います…。

親切な方々と出会えて、本当によかったですね。
foodieさんもおっしゃっていますが、
bianさんのお人柄が、素敵な出会いを引き寄せているんだと思います。

これからも、bianさんの旅日記、楽しみにしています

foodieさん
おはようございます!
返信を下さり、そして温かいお言葉及びお褒めの言葉を下さり、ありがとうございます^^
昔、テレビ等で釜山の紹介をする旅番組があると、必ずといって良い程、東莱パジョンの紹介があった時期がありましたよね?
それを見て、いつか私も食べてみたいと思っておりました。
ただ、ガイドブックを見てみても、パジョン1枚30000W以上の価格
バンチャンがついたとしても、2枚食べれば2人で60000W以上?
と思った時に、足が止まりました。

それから時が経ち、今自分の4年前「ソムンナン東莱パジョン」の投稿を読んだのですが、親切にして下さった釜山博物館のお姉さまに聞きましたところ、こちらのお店を教えて下さり、行く事に致しました。
ここは、4年前は1枚12000Ｗと良心的でしたし、大きくてとても美味しかったです
ただ今回全体的に値上げしており、1枚16000Ｗとなっておりましたので、投稿を迷っておりました。
>毎週月曜日には職場の机にチョコパイ情が乗っていたなんて、夢のようですね^^
私は職場はオジサン達ばかりでしたので、たまに東京とか出張で行った人が横浜ベイブリッジクッキーとか(笑)がありましたね

foodieさん、私の事をほめ過ぎです。
私は海外にいると嬉しすぎて、笑顔になっているからかもしれませんが、何よりいっぱいいっぱいな人過ぎて、この人助けなけばヤバイ的な空気が漂っているのだと思います

くりくまさん
おはようございます!
返信を下さり、ありがとうございます^^
いや本当に、ケーブルカーが運休でまた今来たばかりの登山道を引き返すとなった時、凍り付きました
更には、バスから飛び降りて、行くはずのお店の紙をいつも印刷して持っているのですが、何故かそのお店だけ、地図を印刷していなかったんです…ヤバイ、これはヤバイ…
頭が真っ白になり、他のお店の選択肢も考えていなかったので、ご夫婦に助けられたのは私達にとっては奇跡的な出来事でした

昔友人が、私に名付けた言葉…いっぱいいっぱい星人
きっと、私は何かヤバイ時に、オットケー!!(どうしよう!!)感が強すぎて、
いっぱいいっぱい星人ビームを発しているんだと思います(笑)
それに引き寄せられるかのように「この人今助けないとヤバイ」と親切な方が助けて下さるのだと思います^^
このご夫婦がいらっしゃらなければ、Wi-Fiなし、言葉もほとんど喋れない中年の私達は本当にやばかったですね