アホプ山森の最寄りのバス停、ウンチョン停留所は、釜山・機張郡の中でも、のどかな田畑の広がる場所にあります。
先の投稿でも書かせて頂きましたが、バスも45分間隔、タクシーも全く通らない田舎道です。
私達は、盤如農産物市場駅のバス停から海雲台行きのバスが多く出ている事に気づいたので、元来た道を一旦戻ろうと、ウンチョンバス停に急ぎます
バス停には何も表記がされていなかったので、相方に近くの人に聞いてもらうように言いつつ、私は反対側のバス停で、欧米の方が何処行きのバスに乗ろうとしているのか聞こうとしておりました
昼過ぎで日差しがとても強く、この日の気温は急上昇しておりました。
暑さで同行者もやられかけている中、相方が、韓国人女性に聞いてくれ
「このお店の人に聞いてみてくれるらしいよ!」と叫んでいるので、
「分かった!海雲台行きの…」と話しているにも関わらず、ニコニコしながら、韓国人アジョシが私に近づき、話しかけてきました。
ア「ご飯食べた?」
私「えっ?いやまだ食べてません。」
「ねえ!海雲台行きのバスもあるか聞いてもらって…」
ア「僕たち今ここでご飯食べて来たんだけどね、すごい美味しかったよ。」
私「そうですか…バスがないので、今バスの時間を調べてもらってるんですけどね。」
相「バスが全くないって言ってる、どうしよっか?」
ア「写真見て。こんなに韓定食みたいに沢山おかずがついて、お肉がめちゃくちゃ美味しかったよ。本当にここいいよ!」
私「そうですか…何て言うお店ですか?どこにあるんですか?」
ア「〇〇というお店だよ。1つ前のバス停近くだから食べて行けばいいのに…」
アジョシは、こんないい店ない!といった具合にスマホで私に沢山の写真を見せます
相「そのおじさん、この女性の旦那さんみたい。今、中から人が出て来てくれるみたいだから、待ってて!」
私「分かった!おじさんが美味しいお店があるって言ってるんよ…どうする?」
相「海雲台に行くんだったら、まずバスに乗らないと…」
ア「お肉が1人前10000Wだから、3人だから30000Wでしょ、飲み物とか入れても50000Wも出せば豪華な食事が食べられるよ。ソウルだったらこんな値段で食べられないよ!めちゃくちゃいいよ、このお店。」
アジョシは、このお店が本当にお勧めらしく、私が相方と話しているのもお構いなしにこのお店を推してきます。
確かに美味しそうだなあ…とスマホの写真をのぞき込んでいると、お店の中からこの辺りに住む男性がやってきました。
アジョシの奥様も一緒に来て下さり、話して下さるのですが、難しくて聞き取れません。
「チャが…席が小さいから…」という単語が何とか聞き取れました。
すると男性が、次のバスは全くこないから、海雲台行きのバスが止まるバス停に連れて行ってくれるというのです!
それも、ご自身の車で
美味しいお店を教えてくれた親切で気さくなアジョシ夫婦は、私達がその男性の車で連れて行ってくれると知り、良かったね!と言わんばかりに笑顔で見送って下さいました
さて、その車はというと、韓国の農村部でよく見かける青いトラックです。
木陰に止めていたトラックの中のゴミをすべて後ろにやり、席の埃をはたいて下さると、前の席しかない3人乗りのトラックにぎゅうぎゅう詰めで乗りました
トラックの窓を開けると、出発!
ぎゅうぎゅう詰め4人のトラックは農村を駆け抜けます
窓から入ってくる5月の風は涼しく、私達はあまりの旅の展開に、不思議と笑顔がこぼれておりました^^
およそ10分で、バス停に到着
日本から持ってきたお菓子をすべて男性に渡すと、
「そんな頂けません」と言って下さったのですが、日本のお菓子を知っておられたようで受け取って下さいました。
暑さも消え、心はとても晴れやかで、私達は海雲台行きのバスに無事乗る事が出来ました
私はこの出来事を、一生忘れないと思ったのでした