乙支路4街から地下街を通り、乙支路入口方面へと歩いていました。
地下道にポツリポツリですが、お店が並んでいるので、それを眺めながらゆっくり歩くと…
あっ
約3年前、父の為に、あれだけ探していた遺影写真を作ってくれるお店が目に入りました。
絵画や額縁と共に、遺影写真の例が並んでおり、自然に写真を加工したものや、絵画風のものも並んでいました。
私は嬉しくなって、思わず「わあ~」と言いながら眺めていました。
すると、ムフフフ…ムフフフ…とクスクス笑いのような笑い声が近くで聞こえ、ニコニコ顔のアジョシが横に立っていました。
「この遺影写真は、いくらでしょうか?」と聞くと
「50000Wだよ」と答え、ムフフフ…ムフフフ…と笑い続けます。
「何日位で出来上がりますか?」と尋ねると
「2日だよ」ムフフフ…ムフフフ…と更に笑い続けます。
写真データがあれば、こんなに早く出来るんだ…ありがとうございます。
そう言って、真横にあるお店へ移動すると、キラキラのフクロウに目がとまりました。
うぁ~
真っ白で、キラキラ輝く黒い瞳のフクロウに、私は心が持って行かれました。
白い象も少し大きいけれど、綺麗で、みとれてしまいました。
じーっと眺めていると、またあのアジョシが!
ムフフフ…ムフフフ…と微笑みながら笑って横で立っているのです。
どういう事?こっちのお店も経営されているのかな?と思いつつ、お値段を聞きますと、
フクロウは20000W、象は36000Wという事でした。
更には、こうやって開くんだよと、1つ1つ置物をオープンして見せて下さり、置物だけでなく、小物入れだという事を教えて下さりました。
私はフクロウの置物を買おうと思った事は一度もありませんが、
こちらを見つめるフクロウの可愛い瞳、そして白いキラキラに心は持って行かれ、同じ3体を並べて、どれにするか迷っていました。
「どれも同じだよ」ムフフフ…
私がじーっと見ていると、アジョシは「これだよ」と一番左のフクロウを指差しました。
アジョシは、微笑みながら、フクロウを綺麗な箱に入れて下さり、私に手渡して下さいました。
福の神様のような笑顔のアジョシ…
帰国後、フクロウは、自宅の玄関に飾る事にしました。
きっと良い事がある…
そう思うと共に、遺影写真を自分が生きているうちに、自分が納得する物を作っておこうと決めました。