総合掲示板

10月末までは一人分の料金で二人観覧できるとのことで予約しました。
国楽をベースにした公演はいくつか見ていますが、芝居仕立てにしたりそれなりに工夫されているものの、大きくは違いがない印象でした。
この公演では最初の曲を聴いた時点で「うぅん？ちょっと失敗したかな」と感じてしまいました。２種類の箏のアジェンとカヤグムを大音量で激しい電子音と目まぐるしく変化する映像と共に聴かせ、かつその二つの楽器を絶え間なく動かすという落ち着きのないもので、正直なところ、あまり感心しませんでした。
ただ、聴き進んでいくうちに、個々の演奏者の演奏水準がしっかりしていること、子供たちもそこそこいる客席に非常に分かりやすく見せようという工夫がされていること、自然音を表現する朝鮮半島の伝統的な音楽のキャラクターを身の周りのものでも再現し、客席から参加してもらってコラボすることなど、よく考えられた演出であることが分かって、だんだん印象がよくなっていきました。

おそらく一番盛り上がった場面が伝統楽器を使ったラヴェルの「ボレロ」で、音楽を伝統楽器に置き換えているだけでなく、踊りもモーリス・ベジャールの振り付けを意識しながら、韓国の伝統舞踊の動きをしっかり採り入れていて、それでいてパフォーマンスとしてきちんと成立していたのに感心させられました。

色使いやモチーフに伝統的な要素をうまく使った衣装もよかったですね。

国楽をほぼどの大学でも学べるというだけに、毎年卒業生もそれなりにいるはずで、こういう形で伝統的な音楽や芸能の雰囲気に親しんでもらえるショーを作れるところに韓国の文化力の一片を見た気がしました。