地下鉄・大林駅近くにあるチャイナタウンに昨日、行って来た。チャイナタウンとは言っても、仁川とは雰囲気がずいぶん違う。
ここは中国の朝鮮族が集まってできたチャイナタウンで、少し離れた加里峰にも同様のチャイナタウンがある。ハングルや簡体字で書かれた派手な色の看板が目を惹く。
通りを歩くと食堂、食材屋、カラオケ、不動産屋、両替屋、雑貨屋などがずらっと並んで、活気に満ちている。路上では菓子とかパン、モチなども売られている。
ソウルの片隅にある小さな異国で聞こえてくるのは、韓国語、中国語、それに街のざわめき。朝鮮族の人たちはここで食事をし買物をしながら、遠く離れた祖国を偲び、同胞との語らいを楽しんでいるのだろう。
通りに面した食堂に入り、シャブシャブで夕食を済ませてきた。肉、野菜、海産物などは食べ放題で、タレはたくさんある中から好きなものを選べる店だった。
朝鮮族と思われる店員が、どこから来たのかと尋ねてくる。日本からだと答えると、お互い異邦人の身の上ということもあってか、いろいろと世話を焼いてくれる。
クソ暑い日が続いていたので寝不足、食欲減退、脱水症状気味だったが、こういう時にピリ辛のタレにつけて食べるシャブシャブとビールは最高だ。食が進んで意欲や向上心まで湧いてきそうな気がする。
この店、気分がよかったし、味も悪くなかったのでまた行ってもいいかな。
朝鮮族というと、釜山大学の語学堂に通っていた女性を思い出す。彼女が語学堂の6級課程を修了して中国に帰国する数日前に、東莱で会って食事をした。
「いつか延吉(延辺朝鮮族自治州の州都で彼女の故郷)に遊びに行くよ」
別れ際にそう伝えた。その後、しばらくして彼女からメールが来た。メールには延吉の写真が何枚も添付されていた。
あれからずいぶん時が経ってしまったが、いまだに彼女との約束を果たせないでいる。