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昨日、鞍山の「チャラッキル(山裾の散策路)」を歩いてきた帰りに、偶然見つけたのがこの図書館。
イジナ。人の名前のようだが、どういう人なのか。好奇心に駆られ、館内へ。
2階に向かう通路の壁に簡単ないきさつを書いたパネルがある。それを読み、職員に尋ね、当時の新聞記事を検索してみると、次のような事情があった。
2003年6月2日、外国語大学3年生だったイ・ジナさんが語学留学中のアメリカ・ボストンで交通事故に遭い、22歳の若さでこの世を去る。同時通訳者になるのが夢だったという。
「崩れ落ちるような悲しみ」の中、娘のことを忘れまいと、父親は私財50億ウォンを投じて、本が好きだったジナさんの名を冠した図書館を建てようと決意。こうしてできたのが父からの「最後の贈り物」、西大門区立イジナ記念図書館だ。
図書館は2005年にオープンした。開館日の9月15日は、ジナさんの誕生日でもある。
「いつかは財産を社会に還元しなければならないと考えていました。ジナのお陰でその日がちょっと早くきたものと思っています。年をとったら、ここで勉強もし、掃除もしながら過ごしたいです」
一代でアパレル会社を築き上げた父親は、メディアの取材にそう答えている。なかなか言えないセリフだ。
天井の大きなガラス窓から陽光が射し込んで館内は明るい。学生をはじめ多くの利用者が読書や勉強に余念がない。
4階の休憩所に出てみると、青空の下に西大門刑務所や独立公園が広がり、仁王山が目の前にある。ついさっき歩いてきた鞍山も見える。
天国のジナさんも毎日この景色を眺めていることだろう。
利用時期:2017.03
案内表示。「이진아(イジナ)」という文字は、生前ジナさんがノ…
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図書館全景。
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ジナさんの写真と開館の経緯が書かれている。「星になった娘の名…
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開館から現在までが紹介されている。
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内部の階段。
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休憩所からの眺め。
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西大門刑務所の先に図書館が見える。
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鞍山「チャラッキル」からの眺め。
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