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先週、韓国で4回目の引っ越しをした。
それまで住んでいたアパートは、漢江に近く眺めもいいので気に入っていたのだが、契約満了一月半前に大家さんより、月払いのウォルセから半チョンセにしてほしいと言われた。
半チョンセとは言え、預託する金額は半端な額ではない。その日暮らしで糊口をしのぐ身にそんな大金はない。
「残念ですが、引っ越すことにします」
大家さんに丁重にそう伝えた。
貧しい日本人アジョッシを気の毒に思ったのか、大家さんは引越先の不動産手数料をもつという。2年間お世話になったし、親切にもしてもらったので、それもお断りしていざ転居先を探しに行く。
韓国の不動産屋は、アパート団地の商街(低層の商店街ビル)やオフィステルの1階に複数入っている。環境や交通事情などが気に入ったら、近くの不動産屋に行けばいい。
店内に入ると、壁にドでかい住宅地図が掛かっていて、その横で中年女性の社長がパソコンとにらめっこしている姿をよく見かける。もちろん男性社長の場合もあるが。
物件を見に行ったその日に手付を打って、翌日契約した。
これまでしばしば上階の音が気になることがあった。韓国で問題になっている「층간소음(層間騒音)」。その点、ここは最上階なのでその心配がない。しかも南向きで日当たり抜群、地下鉄駅からも近い。
契約時に、新しい大家さんから「ローヤル層(階)だからいいですよ」と自慢げに言われた。
荷物が少ないこともあるが、韓国の引っ越しは楽だ。自分がすることといったら、パソコンなどの貴重品だけをまとめておけばいい。箱詰め・梱包、搬送、引越先での配置、全て業者がやってくれる。これ、포장이사(包装引越?)という。
立つ鳥跡を濁さずというが、韓国では掃除もせずにそのまま出て行く。まるで夜逃げだ。せめてということで、管理事務所にだけは「お世話になりました」とあいさつしていく。
今回引っ越すにあたり、ご近所の皆さんから「섭섭하다(名残惜しい)」と言われた。たった2年間であったけれど、皆さんにはずいぶんお世話になったし、助けてもいただいた。「名残惜しい」のは自分の方かも知れない。
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