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明洞の中央郵便局の近くに「天池」という食堂があります。ハングルで「한식전문（韓食専門）」とあるにもかかわらず、私はこの店が中華料理屋だと思っていました。中国大使館前の通りで、周囲の漢字店名食堂がすべて中華だからです。思い込みとはコワいものです。

数日前、店の前の写真メニューにふと目がとまりました。焼き魚定食やイカ炒めなどが6000ウォン。ソウル屈指の観光エリアとしては安い気がします。興味をひかれて入店してみました。

平日の午後１時半過ぎで、店内は８割の入りです。１卓しかない一人席には客がいて、他の空き卓は４人用なので、一人だというと「まだお客さん来る時間なんですよね」とレジにいた店員が難色を示しましたが、厨房の店員が「え、もう大丈夫でしょ」と言い、座れることに。←私の着席直後に先客が続々と出ていったので、結局、満席で入店を断念する客は発生せず。

「ペッパン定食（6000ウォン）」を注文すると、３分ほどで出てきました。皿数は写真のイメージの約半分です。「でも、おかず６＋スープ１＋白飯なので、まあまあの出来かも」と思いつつ、その構成を確認してみました。

メイン３品は「焼きサバ」「大根とネギの赤いスープ」「サンマと大根の赤い煮物」です。サバとサンマは両方とも青魚、スープと煮物の具は両方とも大根です。サンマは水煮缶風味です。そして、大根と煮物は両方ともかなりの辛さです。要するに、味付けも具材も「かぶっている」感ありありです。モヤシ、卵蒸しと海苔は、まあ普通でした。

キムチチゲを囲んでいた隣卓の男性３人は、具材と味について女性店員に文句をつけた後に殆ど料理を残して席を立ち、近くの卓にいた一人入店の男性はテグタンを半分以上残していました。大抵の店ではほぼ完食する私も、この日は半分近く残しました。つまり、非常な美味というわけではありません。ついでに、サービスも愛想も良くはありません。

でも、この「天池」、長年営業しているように見受けられます。このエリアでは珍しい「手頃価格の大衆定食店」だからでしょうか。「やはり、この通りでは中華料理を食べるべきだったか」と思いつつも、本当に「韓食専門」の店だと確認できた事には満足したのでした。