「ミルク&砂糖入り」「ドリップコーヒーとは全く別の飲み物」が常識だった韓国のスティック状インスタントコーヒーですが、最近、韓国の食品会社も「ブラック」タイプを盛大に売り出している気がします。
コーヒープリンスことコン・ユ君が広告する東西食品Maxim「KANU」は既に定番ですが、乳業会社「南陽」のフレンチカフェも「LOOKA」を大々的に販売。ロッテ七星「カンタータ」も売場のブラック占有率が上がっているような・・・。大型マートのPB商品にも「ダーク」を謳うスティックタイプが増えています。
これらの「本格派スティック」は、安めの1人用ドリップコーヒーより高額だったりします。
味もなかなか本格的で(ちなみに私は『KANU』派です)、飲み終えたカップの底に、本物のドリップコーヒーのような沈殿&豆の粉の粒が見られるという迫真ぶりです。←いえ、演出のために沈殿物を入れているとかではないと思いますが。
オマケに付いてくる謝恩品も、従来のスティック状コーヒーミックスとは異なります。
ミルク&砂糖入りのコーヒーミックスの謝恩品は、普通のマグカップや、プラスチックのタッパー容器が多かった気がしますが、近所の大型マートで見る限り、
・KANU:コーヒーのチェーン店で出てきそうな細長タイプの陶製エコカップ(ゴムっぽいカバー&フタ付き)
・LOOKA:喫茶店が出前に使うような保温容器
・・・と、家や職場ではなく「店で飲む味」をイメージしたアイテムです。
ちなみに、パッケージはいずれも黒色。高級感&ブラックコーヒー感を追求した結果、各社横並びになってしまったのでしょうか
さて、相次いで登場の「本格派ブラック」ですが、恐ろしいワナが潜んでいます。
ほとんどのメーカーで、まったく同じ外観の箱の、
「다크 아메리카노(ダークアメリカーノ=無糖)」と
「다크 스위트 아메리카노(ダークスイートアメリカーノ=加糖)」
とかがピッタリと隣り合って売られているのです。
加糖派は自力で砂糖を足せば良いのですが、無糖派が間違ってスイートを買ってしまうと、取り返しのつかない事態になります。
迷ったらしき先客がテキトーに返却し、商品棚に付いた名札と逆の商品が一番前に置かれていることがあるため、外国人でなくても危険です。黒い箱に書かれた小さい韓国語の文字を、まじまじと確認する
必要があります。
「KANU」に関しては、もう一つ注意事項があります。
「オマケのカップにコン・ユ君の顔が付いていない」点は、彼のファン以外には特に支障無いのですが、問題は、スティック容量に2タイプが存在する事です。
通常、10杯分3500ウォン前後で売られている普通版「KANU」は1.6グラム入りです。が、最近登場した「KANU MINI」は0.9グラム入り(100~120ml用)。
この「ミニ」徳用ボックスに、例の大型陶製カップがオマケとして付いていたりします。何も考えず、「ミニ」ひと袋を投入したカップになみなみと熱湯を注ぐと、「薄~いKANU」が完成する羽目に
それはさておき、一気に勢力を広げた「本格派ブラック」、今後はどうなるのでしょう。
主流派となって「ミルク・砂糖入り=ひと昔前の味」になるのか、または「白くて辛いインスタント麺」人気の沈静化と同様、ブームの一段落後には再びミルク・砂糖入りの「ミックス」が王座に復帰するのか、楽しみなところです。