鍾路3街駅近くを散歩中、どこからか漂う「韓薬」の匂いに気付きました。
周囲は普通の飲食店街です。気のせいかと思ったのですが、匂いの方向をのぞいて見ると「春園堂韓医院」と看板の出た建物と、近代的な醸造所(?)風の施設があります。
醸造所風の施設には「春園堂」というロゴや「韓方博物館:5階」という表示があります。「博物館」なら入ってよい場所だろう、と館内に入ってみました。
いったん2階の受付っぽいフロアに上がった後、エレベーターで5階に行くと、入場券売場(おとな2000ウォン)と、小さな展示ホールがありました。
展示物は高麗時代~近代の医師たちが使用した治療器具などです。
少人数(この時は2人)で行こうとも係員が付きっきりで解説(韓国語ですが)してはくれますが、
「このホールの観覧に2000ウォンは高いのでは」とセコいことを考えたその時、係員嬢は「エスパーか
」というタイミングで「では、検査・製薬・調剤フロアをご覧いただきます」とエレベーターに向かいました。
この博物館の主要な運営目的は「韓医院というと、薬剤の製造過程や処方は一切秘密という所が珍しくありませんが、患者の皆さまに安心して服用頂くために製造過程の一部を公開しております」・・・とのことで、受診者は観覧無料だそうです。
外から見えた、「醸造所のような何か」は韓方薬を煮出す「湯煎室」だったようです。
韓方薬というと、もっと古めかしい製造過程をイメージしていたのですが「国内最初のデジタル方式湯煎室」だとかで、何だか非常にモダンです。
調剤室では、白衣にビニールキャップ&衛生手袋の「研究員」ふうの男性数名が作業中でしたが、なぜか薬剤の入った棚は「小さな抽斗に漢字で薬剤名が書かれた木製の韓医薬箪笥」というのが非常にフシギな光景でした。
※5階見学開始時に「施設撮影不可」と聞いたため、残念ながら写真はナシです
ここで突然、白衣の男性が紙コップの載ったトレーを持って登場。
見学者用の「韓薬試飲」だそうです。←確か、卓上には「生脈湯」と書かれた解説の紙が。
観覧料が高いと思ったことを内心深く詫びつつ、地下1階の展示も見た後、2階に戻ってロビーで「韓方茶?(ハーブティー風のティーパック入り茶)」を飲んで建物を出たのでした。
「韓医院の方は、診断・処方はなかなか予約が取れないほど人気でございます」「一部の診察は当日受付もしておりまして」「外国人のお客様も来られます」といった説明に「ホントか?」と思ったのですが、2階でお茶を飲んでいたら確かに韓医院の客(患者)らしき人々や、当日受付に来た外国人客も(昼休み中とのことで引き上げていましたが)いました。
なお、5階展示室には「高宗の父・大院君が使用した膳」という品があり、同行者(韓国人)は「大院君?いま『Dr.Jin』のドラマに出てるイ・ハウンですよね?ええええ、ホンモノですか!(←し、失礼な
)」と騒いでいました。大院君ファンの方はご注目を。