漢江沿いの、一見のどかな公園「切頭山殉教聖地」は、1866年にフランス人宣教師たちや、1万人以上ともいわれるカトリック信者たちが殉教した場所です。
敷地内には、初の韓国人主教・盧基南(ノ・ギナム)の記念館、韓国のカトリック教会関連資料を展示した博物館などがあります。←博物館は「入場料 おとな1000ウォン」のようですが、無料で見られました。子どもの日だったから、というわけでもないとは思いますが。
家族連れに人気なのは、 盧基南記念館の隣にある「体験館」で、子どもたちが牢や拷問道具で迫害を体験していました
屋外にある像の中で有名なのは、朝鮮(当時)最初の司祭、金大建(キム・テゴン)像です。列聖もされている司祭のわりに若い容姿なのは、26歳(いまの日本でいうと25歳)で殉教したためと思われます。
「切頭山」の名前は、「ここで信徒たちを斬首して漢江に首を捨てた」ことに由来・・・と聞いてから、散歩やサイクリングを楽しむ人でにぎわう漢江を見ると「では、あの辺りで首を」と思ってしまったりします。
一部展示が英語併記である以外はあまり外国語対応でないのですが、悲しく厳粛な雰囲気と、漢江沿岸の明るい空気を同時に感じられる、独特な場所です。
地下鉄「合井」駅から歩いて15~20分ほどかかりますが、天気の良い日、ソウル西部で少し時間がある時などにオススメです。
なお、当地では信徒が聖母像や殉教者像の前で十字を切っていたり、ロウソクや献金を供える場所で老人が真剣に祈っていたり、博物館の横にある聖堂でミサが実施されていたりするので、観覧や撮影はこの人たちの邪魔にならないよう行なうのが吉です。