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韓国には文禄・慶長の役で知られる「李舜臣将軍ゆかりの地」がいくつかありますが、温泉で有名な忠清南道の牙山市(アサンシ)は、父親を早く亡くした将軍が幼年期を過ごした母親の実家がある土地です。
「忠武公」李舜臣をしのんで、粛宗が1706年に建立したのが顕忠祠です。(ただし、1932年と1960年代に再建工事が行われています)
8月上旬に牙山に宿泊する機会があり、牙山といえば李舜臣!ということで訪ねてみました。
チケット売場(おとな500ウォン)には「8月15日まで観覧時間延長中」との掲示が。夏休み時期で、さらに韓国人が愛国心を感じる「光復節」前だったためか、台風上陸中だったにもかかわらず、家族連れなどでにぎわっていました。
入口に近い丘(?)の下には教育館と展示館があり、亀船(亀甲船)の小型復元模型、当時の武器や文書、海戦シーン再現映像などを見ることができます。
この丘から数十メートルのところにある「忠武門」から奥の敷地が境内です。広い敷地内に蓮池、将軍の古宅、将軍の墓(戦死後に何度か運柩され、結局ここに落ち着いたとのこと)や将軍の愛息の墓、弓場などがあります。「本殿」は神社のようなつくりで、建物の中には将軍の肖像が祀られています。
施設のほとんどの掲示には日本語訳がついています。また、チケット売場か改札でひとこと頼むと英語や日本語の冊子をくれます(無料)。日本語フォントがちょっと読みにくく、また韓国人向けの内容をそのまま日本語にしたものなので日本人的には「・・・あれ?」という表現もありますが、韓国人の李舜臣将軍に対する深い敬愛を知ることができる興味深い資料です。無料なのに総カラーで40ページ以上の豪華な冊子なので、訪問されたときはぜひ貰ってみて下さい。
あ、ひとつ注意点です。前述の通り「ほとんどの掲示には日本語訳がついている」のですが、けっこう重要な事項が韓国語のみで案内されていることがあります。たとえば、忠武公も使ったという井戸「忠武井」。「きれいに使って下さい」とか書いてあるので飲んでみようと近付くと、韓国語で「水質に問題が生じたため、提供を中止しています」と注意書きが。おい!←まあ、閉鎖してありますが。
それはさておき、訪問客がたくさんいても静かで落ち着いた場所です。また、施設や庭園の管理状況は非常に良く、草はキレイに刈られ、ごみやタバコの吸い殻も見当たりませんでした。
「休憩所」表示のあるところで時々休んだり、蓮池でコイに餌をやったり(池のほとりに餌の自販機あり)しながら全部ゆっくり見ていると、展示館とあわせて3時間ぐらいはすぐ経ってしまいますが、本殿中心に少し急げば1時間ぐらいで見られますので、忠清南道地域に来られた時にはオススメの場所です。
注:地図には「ヒョンチュン寺」とありますが、上記の冊子(日本語)では「顕忠祠」となっています。
鳥居をくぐり、階段をのぼると本殿
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本殿の中にある将軍の肖像
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静かで美しい池と庭園
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将軍の古宅
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「提供中止」していた井戸・・・。
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池にはコイ
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そして草原にはウサギ
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この丘の下が展示館
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将軍といえばこの船
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出入口は近代的
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アンニョンハセヨ!コネストです。
確認した結果、漢字表記はご指摘の通り「顕忠祠」が正しい表記でした。
地図表記は次回更新の際に修正を反映いたします。
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