時代劇好きにとって、KBSの大河ドラマは見逃せない枠です。
そして、現在(2011年8月下旬)放送中の「広開土太王」は実に驚きのドラマです。
何が驚きか。一言でいうと、
「ヒーローであるはずの王(現時点では『タムドク王子』)が、悪役や異民族の敵より悪者っぽい」のです!「悪役好き」の私にとって、非常に居心地の悪いドラマです。
タムドク王子役のイ・テゴンは、他のドラマ「神様、お願い」や「黄金の魚」を見る限り、正統派のイケメンです。私の周囲の韓国女性も、彼は(自分の好みかは別として)美男だと言います。
では、なぜこんな事に…。理由を考えてみました。
1)現代韓国人にとって、高句麗は「強権国家」である。
したがって、若年の王子といえども、弱々しかったりビンボーだったり、皆が大変な時に抜け出してデートしたり(伽耶の初代王であるキム・スロはMBCドラマでこれを全部やっていました)は許されません。
2) 広開土太王は「19代王」である。
貧乏な青年時代を送った「創業者」と違い、生まれた時からたくさん部下がいる (これが悪っぽい)坊っちゃま、王子様です。父王より年上の部下にも横柄な口調で命令しますし、金回りも良いので結構ギラギラの服や装身具(これもまた悪っぽい)を着用しています。
3)次男なのに父王の跡継ぎに
日本未公開なので詳細は伏せますが、長男「タムマン王子」の方が思慮深くて良い人に見えます。
やむなく後継を決意したように振舞うタムドク王子を見ても「実はアナタが企んだのでは(状況的にそれはありえないのですが)」と疑ってしまいます。
居心地の悪さを感じつつも、「くぁっはっはっ」と悪者笑いするタムドク王子の姿に、
「王子、アナタは主役ですよ!」とツッコミを入れつつ、つい毎回見てしまいます。
1回分の中で服を着替えたりするので(さすが金持ち)分かりにくいですが、12秒、20秒、28秒、43秒くらいでアップになるのがタムドク王子です。いかがでしょうか…。