日本の時代劇を見ていて、正義の味方よりも越後屋や悪代官の言動に思わず注目してしまうことはありませんか?また、なぜか毎回負けてしまう彼らを歯がゆく思うことはありませんか?
実は、韓国時代劇、歴史ドラマの悪役たちも同じなのです。圧倒的な資金力と人脈を持ちつつ、なぜか最後には敗れる彼らの「失敗する行動パターン」を分析してみました。
1)すべてにおいて「悪趣味」である
衣装も武具も、「とにかく下品に頼むぜ」とオーダーしたとしか思えない悪趣味っぷり。女性の場合、ヒロインのナチュラルメークに対し、悪役はバッチリ厚化粧です。邸宅の家構えもまさに「悪の館」。手下たちはさらにひどく、海賊ふうの黒眼帯に変なターバン…と、北斗の拳かタイムボカンシリーズか(すみません、若い方には分からないかも)という装い。これでは、初対面・初訪問の相手にも悪者であることが一発でバレてしまいます。
(例:『善徳女王』)
2)制度に忠実なあまり…。
下級役人、中間管理職、高級官僚…とあらゆる階層に勢力を広げています。が、仲間が少なく空気も読めない正義の味方が王や王妃に直訴してしまい、大逆転で敗れることしばしば。
(例:『宮廷女官チャングムの誓い』)
3)肝心なところで紳士的!
日本の時代劇と同様、大勢vs1名の斬り合いでも1~3名ずつ交代で主人公と対決します。また、一対一の対決で正義の味方Aを追い詰めても、よしここでトドメだ!という場面で「待て~」と正義の味方Bが遠くから声をかけると、Bの到着までホントに待っています。はやく斬れ!
(例:『推奴』)
近年の私のお気に入り悪役No.1は、韓国で昨夏放送された「鉄の王 キム・スロ」のユ・オソンです。
映画「友へ チング」や「SPYリー・チョルジン 北朝鮮から来た男」では悲劇の悪役でしたが、この時代劇では、製鉄技術を持つスロ青年の義父になるためにスロの母親(未亡人)とムリヤリ結婚…という「まさしく悪役」を演じています。(下の映像で、金の頭飾りに黒い石をつけた男がユ・オソンです)
なお、現在KBS1で放送中の「広開土太王」は、ある意味「悪役の常識をくつがえす」ドラマで、毎回「それでいいのか?」と楽しんでいます。
皆さんがご存知の「悪役が負ける理由」はありませんか?また「印象的な悪役」はどんな人でしょうか?