コーヒーショップ巡りにはまっている。カフェ、ではなくコーヒーショップだ。
そもそも今のソウルってカフェ天国。スタバなどのチェーン店はもちろん、こだわりのお洒落カフェが街中でオープンテラスを広げている。バリスタが淹れる本格コーヒーを楽しむのもそう難しくない。
そんなカフェに押されつつひっそり佇むもの。それがコーヒーショップ(韓国語ではコピショッ)だ。 カフェ台頭の一世代前、10~20年前くらいが創業ピークだろうか。日本だったら「喫茶店」もとい「サ店」と訳したくなる、まさに懐かしの空間が、まだソウルには残っているのだ。
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オープンな今風カフェもいいけど |
ビルにひっそり残る入口にそそられる |
中も懐かしさたっぷり |
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コーヒーショップを知る世代に語り継がれるものといえば、なんといっても薄味の「サ店コーヒー」だろう。
「麦茶みたいな」「お湯に色をつけたような」と噂は耳にしていたが、2000年代後半以降の韓国歴しかないqingにとっては、サ店コーヒーはいわば都市伝説のような存在。一度試してみたくなったのが、コーヒーショップに足を運んだきっかけだ。 そうこうするうちに、カフェに比べ格段の敷居の高さと、それでいてなぜ?とつっこみたくなるスキの絶妙なバランスの虜になってしまったのだ。
qingが知る限りでは、今ソウルに残るコーヒーショップはこんな空間だ。
・チョンノや南大門など昔ながらのエリア、古めのビル2階に位置 ・椅子は広めのソファーで基本的に喫煙OK ・BGMは90年代あたりのヒットソング ・40-50代男女の社交サロンとして機能 ・ママ的なオーナーがひとりOR知り合いのオンニ(お姉さん)と営む ・コーヒー、生果実ジュースが主メニュー。加えて高麗人参茶や山芋茶といった健康ドリンクなど(ママの趣向による)
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中が見えないすりガラスの入口。 どきどき感が毎回たまらない |
窓辺には一様に観葉植物 |
さりげなく間違った日本語メニュー |
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タバコはもちろんマッチで |
待望の、底が透ける「サ店コーヒー」。 味も期待通り |
柿の生果実ジュースなど、 意外に本格派なドリンクも |
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シンプルなのに足を止めずにはいられない、ズルい店名が多いのもポイント。ベストネーミングだった「그때 거기(そのとき、そこ)」をはじめ、「約束コーヒーショップ」「野薔薇」「湖水」と、名前オチな店が満載なのだ。 「프라자(プラザ)」「씨걸(シーガル)」のように、店名が横文字になってもあくまでハングル表記を貫く潔さもいい。仁寺洞(インサドン)のスタバよりいち早く「横文字をハングル表記」を実践していたはずだ。
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映画「サニー」のヒットなど、今年は復古とかレトロがキーワードみたいだけれど、「なつかしさがコンセプト」のお洒落カフェではちょっと届かない、この感じ。うっすいサ店コーヒーにはまだまだ奥深さが潜んでいそうな気がして、ビルの2階にまた目を向けてしまう。
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コメント(6)
11.11.16 / なななさん
11.11.16 / コネストqingさん
「ディープ韓国の入口」って、本当そうですよね!
色々な意味での文化が潜んでいる場所のような気がします…。
ご感想ありがとうございました^^
11.11.18 / RondaJinさん
ドリンク・コーヒー専門店じゃ、専門じゃないでしょう!って突っ込み入れたくなりますが、大抵の店は専門店と言いながらいろんなモノ出しますね。
むしろ、専門と謳っているもの以外の方が多く売れてるお店まで。
専門店の意味が日本と韓国で違うんじゃないかと思ってます。
11.11.18 / コネストqingさん
おっしゃるようにやや欲張りな「専門店」、たまに見かけますよね。
私も看板に「スジェビ(すいとん)専門」「原豆コーヒー専門」な「果物カフェ」と書かれたコーヒーショップにであったことがあります^^;
より多くのお客さんを迎えるための知恵なのかしら?
ご感想ありがとうございました^^
11.11.22 / gilbertさん
11.11.22 / コネストqingさん
コーヒーショップ好きなんですね、なんだか嬉しいです。
そうそう、長居するのにぴったりのテーブルと椅子がまさにポイントですよね!
まだまだ開拓途上なので、おすすめあればまた教えてください(地下は特に入りづらいです…)。
ご感想ありがとうございました^^