8月下旬の夜、地下鉄6号線「上水」駅付近を歩いていたら、小さなカフェのような店に気付きました。
閉まっていましたが、店名は「ヒムネラ タンパッチュッ」、つまり「がんばれ、アズキ粥」です。
そのとき一緒にいた知人(韓国人)は「韓国が経済的に苦しかったひと昔前にできたチェーン店で『がんばれ、タラ鍋』は聞いたことがあるけど、アズキ粥を食べて頑張るって、もっとビンボーな感じ
」と言います。そういえば、ドアや窓枠、看板、カウンターが、いずれもベニヤ板っぽい感じです。じ、じつは店主がビンボーだとか・・・??
数日後の昼に一人で同じ場所を通ると、どうやら営業中です。
店の前の黒板を見ると、アズキ粥のほか、パッピンスと緑茶ピンスもあるようです。テイクアウトと書いてありますが、座席がある以上、イートインも可能だろうということで、入ってみました。
店内には、家でお汁粉や赤飯を作っている時のような「アズキを煮る匂い」が軽く漂っています。
そして、カウンターには、草食な雰囲気の店員くんがいます。
「店内で食べられますか」と訊くと、大丈夫だとのことなので、着席して緑茶ピンス(5500ウォン)を注文。
キッチン中央にある削氷機は、大きな円筒形の氷をセットする古典的なものです。
待ち客1名の状態にしては少し時間がかかりましたが、緑茶ピンスが登場。店員くんの作業から推測した通り、アズキ餡と餅のシンプルなピンスですが、少し意外だったのは「氷に白い部分がなく、100%薄い緑色だった」ことです。←削っていた氷は普通に透明でした。
ポップな雰囲気の店なのに、アズキ餡と餅は「カフェのデザート」や「ファストフード」の味ではなく、実家や祖母の家で出てきそうな、家庭的な美味でした
ちなみに、私の少し後に来た客が注文した「アズキ粥(4000ウォン)」をさりげなく観察
すると、餅や松の実(いや、カボチャの種?)が少し載っていて、これまた古風な外観でした。
私が食べている間に来たテイクアウト客との会話から推測するに、カウンターの青年は「店員くん」ではなく「店主くん」のようです。命名の由来は何なのか、具材はすべて彼自身の手製なのか、少々気になりつつも黙って店を出たのでした。
手頃な価格(量は1~2人分)で家庭的な味のかき氷、どうやら一年中食べられるようです。シンプルなアズキのかき氷がお好きな方、近くをお通りの際は一度お試しを。