コネスト地図で仁寺洞エリアを見ると、クラウンベーカリーの裏手に「詩泉酒」という店名があります。
「詩人が集まる酒場だろうか」「画廊かも」と気になって、のぞいてみることにしました。

「시천주（シチョンジュ）」という看板の店は、テンジャンチゲとかビビンバとかいう黒板のメニューを見る限り、ごく普通の食堂のようです。

が、店員（店主？）は芸術家というかヒッピーというか、穏やかながらも、謎な雰囲気の男性です。
さらに、店内は、冷蔵庫に貼られた写真といい、棚に置かれたダンボール箱といい、店というより「かなり田舎にある知人の実家」のような雰囲気です。でも、散らかっているとか汚部屋とかではないので、店のディスプレーかもしれません。

メニューを開いてみると、肉系の料理がない感じです。「魚介類と卵は食べる菜食」の店でしょうか。
とりあえず「ナムルビビンバとテンジャンチゲ（7000ウォン）」を注文。店員氏は「日本の方ですか。日本語のメニューもあったのですが・・・」と、やや恐縮の表情です。客が韓国語の単語4つを発しただけで出身国が分かるとは、さすがヒッピーです（と、勝手に決める）。

小皿8品（1品に大きめの煮干し？が入っている以外、野菜と豆腐）つき＋半熟目玉焼き載せのナムルビビンバ、なかなか美味でした。
小皿のおかずは「赤い系」優勢だったので、全部辛いのか・・・と思ったのですが、どれも野菜の味が判別できる程度の優しい辛さで、しかも味つけはどの皿も少しずつ違う感じです。

また、韓国のテンジャンチゲは汁自体がトウガラシ味で、味噌の味がイマイチ分からないものも多いですが、ここのものは緑と赤の生トウガラシが各1切れ入っているだけで、汁本体には粉トウガラシは入っておらず、野菜と味噌の味も味わえるつくりでした。

入店した昼11時40分時点では客は私ひとりでしたが、食べているうちに会社員風の男女、観光客ではなく近所で働いている様子の外国人女性グループなどが次々と入ってきて、店内はほぼ満員に。昼間から酒を飲む人はいないようでした。が、酒メニューには地マッコリや伝統酒、安東ソジュなどあったので、夜には鍋ものや豆腐キムチ、海鮮チヂミなどで飲む客が来ると思われます。

一人入店も気楽にできる店です。肉や辛い料理が続いた時などにぜひ。