アンニョンハセヨ!暦の上では雨水(うすい)が過ぎ春が近づいているといいますが、まだまだ寒さ厳しいソウル。
寒さ対策には飲むしかないね!という言い訳をしながら、毎夜毎夜ソウルの街を徘徊しているホッピーです。
ソウルの夜もいいけど、たまには遠出してみてもいいんじゃない?
ということで、今回は
全羅北道(チョルラブット)・
全州(チョンジュ)へGO!GO!GO!
韓国の台所と言われるほど食べ物がおいしい地域で、食いしん坊(飲兵衛?)なホッピーが大好きな街です。
全州は朝鮮王朝発祥の地で、1200年もの歴史がある街。韓国伝統家屋が集まった「
全州韓屋村(ハノッマウル)」は人気の観光スポット。また、全州が発祥と言われる
ビビンバの他、コンナムルクッパ(豆もやしスープご飯)やたくさんのおかずが出てくる
ペッパン(家庭式韓定食)など、おいしいものも盛りだくさんです。
さて今回の全州旅の目的はと言いますと。前回tjbang先輩の編集部日記で紹介されていた全州のウマ菓子「
豊年製菓(プンニョンチェグァ)のチョコパイ」を食べることと、飲兵衛の聖地・全州マッコリタウンを訪れること。全州にはマッコリタウンが7箇所あり、ヤカン入りのマッコリを頼むたびにおつまみの種類がどんどん増えていくという、夢のようなシステム。想像するだけで、ジュルルルル~な感じです。
問題は7箇所あるマッコリタウンのうち、どのエリアに行くかということ。一番店舗数が多く代表的なのは
三川洞(サムチョンドン)ですが、メジャー路線から外れたい!と思ってしまうホッピー。今回はわりと若者も集まるという
西新洞(ソシンドン)を目指しました。
今回のマッコリ勇者は4人。どのお店にしようか話し合った結果、クチコミで評判のお店「
マッコリ一番地」を戦場に決定しました。一歩お店に足を踏み入れると、地元のアジョッシ(おじさん)・アジュンマ(おばさん)で満席。ホッピーたちは20時頃に行ったのでちょうど帰るお客さんがいて、運良く席をゲット!さあ、ここからが全州の夜・本格的な宴の始まりです。
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いざ出陣!マッコリ一番地へ! |
ワイワイ、ガヤガヤ、大人気 |
ここでマッコリタウンのシステムをご紹介。マッコリタウンでは、まずヤカン入りの
マッコリ(マッコリ3本分、約2リットル)を頼みます。マッコリと頼むと、魚介類や野菜のおかず、スープなど数種類のおつまみがどどーんと机に並べられます。そして、マッコリを追加注文するたびにおつまみも追加され、内容もちょっとずつグレードアップしていきます。マッコリの種類も一般的によく見かける白く濁ったマッコリと全州特産の透明に澄んだマルグンスルがあります。マルグンスルはマッコリの上澄み部分でさっぱりとした味で、二日酔いにもなりにくいと聞いたので、とことん飲むぞと決めたホッピー一行は、迷わずマルグンスルをチョイス。さあ、ここからが宴という名の戦いです!
第1のヤカン。
チャプチェ(春雨炒め)、豆腐キムチ、
チョングッチャン、ヤンニョムケジャン(ワタリガニの唐辛子味噌漬け)など約20種類のおかずが次々と出されます。こっそり混じってでてきたポンデギ(さなぎのしょうゆ漬け)にうぎゃーとなりつつ、軽快に杯を空けていくホッピーたち。飲み口が軽いマルグンスルのため、くいっくいっとあっという間に終了。すかさず第2ラウンドへと突入です。
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置く場所がないほどのおかずが、ドドーンっと |
見よ!これが透き通った美酒マグルンスル |
第2のヤカン。ここではマッコリにピッタリのチヂミの盛り合わせと、箸休めにピッタリなメウンタン(魚のピリ辛鍋)が登場。ジューシーな一口チヂミに、さらにマッコリの杯が進む進む。これはもう、店主の罠に違いないと思ってしまうほど。この辺りからテンションMAXなホッピー。周りのアジョッシにも負けず劣らず、陽気に飲んで第3ラウンドへ。
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マッコリの恋人、チヂミの盛り合わせ |
ピリ辛の味が杯を進めるメウンタン |
第3のヤカン。こちら、今回のメインディーッシュ!!!なんと
カンジャンケジャン(ワタリガニのしょうゆ漬け)ご飯の登場。カンジャンケジャンが大好きなホッピーは大騒ぎ。たっぷりのかに味噌と香ばしい海苔、そしてピリリと辛い唐辛子が絶妙なハーモニーを醸しています。締めのご飯も食べたし!と通常ならばここで退散するのでしょうが、マッコリ勇者が集まるホッピー一行。次のヤカン頼んだら何が出てくるんだろう…という好奇心から第4ラウンドに突入。
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このっ!ご飯泥棒めっ!カンジャンケジャン |
手でよく混ぜて、一口おにぎりにして食べるのです |
期待の第4のヤカン。ここではなんと、サンナッチ(テナガダコの踊り食い)がお目見え。もうこの頃には、くねくねと踊るサンナクチの如くふわふわと踊っていたホッピー。きゃータコが踊ってる~~~と大騒ぎしつつ、マッコリもおつまみも完食。結局この日は1人あたり1ヤカン(約2リットル)をおいしくいただきました。
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とどめはコレだ!サンナッチ |
箸に絡みつく、活きのいいテナガダコちゃん |
そして翌日…。1人あたり2リットルのマッコリを飲んだにもかかわらず、思ったよりも二日酔いにならなかったホッピー一行。でもちょっと胃が痛いね…ということで、全州風酔い覚ましご飯を朝ごはんにチョイス。二日酔い解消に良いとされている豆もやしをたっぷり使ったコンナムルクッパ(豆もやしスープご飯)を食べにコンナムルクッパの老舗「
三百家(サンベッチッ)」へ。日曜の朝10時だというのに、店内は満席。皆さん昨日はハッスルされたのね、と思いながら席に着き、すかさずコンナムルクッパを注文。ホッピーはこれまた二日酔い解消によいと言われている母酒(モジュ)も注文。母酒とはマッコリにしょうが、黒砂糖、なつめ、シナモンなどを入れて沸騰させた飲み物で、アルコール分はほとんどなく(約1~2%)夏は冷たく冬は温かくして飲むと胃が軽くなると言われています。
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あっさり味で二日酔いにもOKのコンナムルクッパ |
母酒は迎え酒にピッタリ |
母酒をくいっと飲み干し、あっさり味のコンナムルクッパを食べ、思わず出てしまった「シウォナダ~~~」という言葉。韓国語で「さっぱりした~」「すっきりした~」という意味で、韓国のアジョッシたちがよく言っています。飲んだくれてすっかりアジョッシ化したホッピー。それでもシウォナダ~の感覚は病み付きになってしまいます。
今回で5回目の訪問となった全州。全州は行くたびに素敵な魅力を発見できる街だとホッピーは思います。ソウルから全州までは高速バスで約2時間40分、KTXで約2時間10分と気軽に行けるのも嬉しいポイント。飲兵衛のあなたにも、食いしん坊のあなたにもピッタリの韓国の台所・全州。みなさんもぜひ、ソウルを飛び出して全州小旅行に行ってみてください!