我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。
普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。
久々に
江原道(カンウォンド)の
江陵(カンヌン)に行ってきた。2018年の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックでスピードスケートやフィギュアスケートなどの室内競技が開催された都市だ。この区間のKTXに乗るのも実は初めてで、ソウル駅から江陵行きの
KTXに乗り込む瞬間からワクワクしてきた。
◆江陵駅到着
ソウル駅から
江陵駅までは約2時間の乗車。ソウル市内の区間の走行は、一般列車のダイヤの合間をぬって走るため、30分以上はかかっているんじゃないか、と思うほどの徐行運転だったので、次は
清凉里(チョンニャンニ)駅を基点にしようかと思う。京畿道(キョンギド)を抜け始め、専用線に入ってからは流石、とても速かった!
江陵駅前には、五輪のマークと愛くるしいスホラン(写真左)とバンダビ(写真右)がお出迎え。いつまで居続けてくれるのか気になるところだが、個人的にとっても可愛いマスコットだと思うので、是非、長く居続けてもらいたいものである。ここで江陵旅行の記念撮影するとインスタ映えしそうであるな。その後、先発隊が有難いことにクルマで迎えに来てくれて、クルマでホテルに移動。夕食をジャージャー麺などで簡単に済ませた。
◆2019 「TNF100」109kmコース・スタート
江陵に行ってきた目的はレース出場のため。毎年5月に、韓国の数あるトレイルランニング大会の中でもかなり大規模で行うレースがあるのだが、「THE NORTH FACE」が主催するアジアの各国で行う「TNF100」シリーズの韓国大会である。10km、50km、100km(実際には109km)の3コースがあり、我輩は109kmのコースに出場。スタート前にたくさんのランナーたちと記念撮影や談笑をし、お互いに完走しようと誓い合った。
朝5時15分スタート。
鏡浦湖(キョンポホ)からスタートし、朝日が昇る海辺を約10kmジョギングし、その後、川沿いを約5km走ったら、いよいよ山へ。約50kmの中間地点は山中の
大関嶺(テグァルリョン)。そしてまたスタート地点の湖畔へと戻ってくるコースだ。
遠くに見える左側の山に登ったのち、少し下って中間地点。また右側に見える山に登って、ここまで戻ってくるのである。
一般の旅行客なら「遠くに山が見えるね~」くらいの印象であろうか?(笑)
かなり登って来た。天気がよければ青い海がはっきりと見えていることであろうが、この日はかすんでいて、かすかに遠くに江陵市内と海がみえる。3つ目のチェックポイント(CP)を過ぎたところで、雨が降り始め、上下のレイン装備を装着して、さらに走り続ける。
標高1,200m級まで来た。最初のピークに向かう途中の展望台から1枚撮りながら小休憩。ここから少し下れば大関嶺の中間地点。そして遠くに見える風力発電機がある山へと再び上る。
約60kmほど進んだ。仙子嶺(ソンジャリョン)という、韓国では有名なテント泊地帯。風力発電機がたくさんあり、韓国映画や韓国ドラマもよく撮影される場所だ。もうひと頑張りすれば、あとは基本、下るだけだ。その後、夜間に突入してヘッドライトを装着。ところどころ江陵市内の夜景もキレイだったが、走りに集中することに。深夜2時半頃に無事、109kmを約21時間で完走(完歩?)した。
所々で韓国のラン友と伴走したり、励ましあったりして精神的には大丈夫であったが、肉体的にはまだまだ力不足。来年は20時間を切れるように、また日々のトレーニングに励んでいく、と誓ったのであった。
少し仮眠を取って再び起き、ホテルから見える平和な湖と遠くに見える山並みを見ながら、あそこを走って下ってきたのだな、と一人レースを振り返る。翌朝、再び大会会場へ向かい、朝にゴールするランナーを出迎えたり、表彰台にあがった著名なアスリートと挨拶を交わさせていただいたりして、大会会場を後にした。
◆江陵グルメツアー
レースは終わった。せっかく江陵まで来たのに、名物料理を食べずに帰るのはもったいない。時間は限られているが、楽しめる範囲内で楽しもうではないか。まずは
草堂スンドゥブ村のスンドゥブ料理だ。胃腸が疲れているので、我輩は辛くない、白色のマイルドなスンドゥブチゲを食す。「
トンファガーデン」という有名店だが、胃にじんわりと染み渡る癒しの味だった。
海辺にある人気のカフェ「
16.7m from the beach」。カップが可愛くて、テイクアウトして海岸沿いで、3色を合わせてみるのがお約束。我ながら、インスタ映えの写真に初めて成功したようだ。
その後、江陵市内中心部へ移動。駅からも徒歩圏内の
江陵中央市場。日曜の午後、たいへん込み合っている活気ある在来市場。
市場内の「
モジャホットク」という行列が出来る有名店で、アイスクリーム・ホットクなる異色デザートに挑戦。冷たいアイスクリームと、ホクホクのホットクの生地を一口サイズにカットしたもののコラボレーション。口の中で温かくモチモチしたホットクと、冷たくさっぱりしたアイスクリームが絶妙にハーモニーする秀逸の一品だった。
KTX発車時刻まであとわずか。名物料理のジャンカルグクスを「
兄弟カルグクス」で味わう。メニューはカルグクスひとつだけで、辛さが5段階ある。一番辛くないものを注文したが、胡椒が結構効いている。麺も美味しく、さすが江陵の有名店、裏切らない美味しさであった。また食べに来たいと思う。
というわけで、久々に江陵を訪問し、満喫してきた。ソウルからKTXに乗れば約2時間で訪問できる近さ。海もあり山もあり食事も美味しいので、まだ訪問したことがない方は是非いちど訪問していただきたし。
ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。