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 HOME > コミュニティ > 編集部日記 > コネスト特別捜査官Yoメンが行く!(連載終了)

ありがとう、セマウル号

投稿者:コネスト Yoメン / 2018-04-30
我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。

普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。

今日、4月30日に、ひっそりとその役目を終える列車がある。セマウル号だ。1969年に登場した特急列車で、我輩がはじめて韓国で乗車した2003年は列車の色が緑色だった。その後、青色に塗装がかわり、気動車から機関車牽引に変わっていった。当時はソウルから釜山(プサン)まで最速約4時間で結ぶ夢の超特急だったのだが、 韓国高速鉄道KTXの登場により、運行規模が徐々に縮小され、また車両の老朽化により、最新型の車両ITX-セマウル号に徐々に置き換えられはじめてきた。最後は龍山(ヨンサン)駅から長項(チャンハン)線経由の益山(イクサン)駅行きが1日5往復するだけになっていたが、本日をもって廃止となった。

我輩は、このセマウル号での列車旅がとても好きだった。セマウル号の最大の魅力は座席の素晴らしさ。車内には日本のJRのグリーン車に相当する「特室」と、指定席に相当する「一般室」の2つがあるのだが、「一般室」でも、座席間の幅がとても広く、シートもふかふかしていて、当時日本の窮屈な特急列車と比べ「何と素晴らしいことか!」と感銘を受けたものである。KTXも一般室は窮屈で座席も良くないが、セマウル号の座席の素晴らしさをもう一度体感したく、乗車してきた。


◆龍山駅



龍山駅に到着


機関車牽引


塗装はかなり剥げ落ちている


今後はもう見られない行き先表示盤


食堂車が連結


機関車を見ると、そのカラーからどうもムグンファ号をほうふつさせるものがあり、最後くらいセマウル号ならではの気動車を見たかったが、もう無いので仕方ない。プラットホームでは、我輩のほかにも熱心に一眼レフで写真を一生懸命とっている、いわゆる鉄っちゃんが数人いた。


◆乗車


食堂車の様子


時間がなかったので、永登浦(ヨンドゥンポ)駅まで


一般室の様子


相変わらずフワフワしているシート


(短い)足もたっぷり伸ばせる間隔の広さ


久しぶりに乗車したセマウル号のシートは、かつて感銘をうけたシートそのままだった。座席が広い分、収容人数が少なくなるので収益があがらないのは良くわかるが、素晴らしいシートだった。


◆出発


いよいよ出発


漢江(ハンガン)を渡る


永登浦駅到着


ここから乗り込む客もたくさん


今までありがとう!



龍山駅から永登浦駅までは、約7分。本来ではあれば、もっと乗車したかったのだが、スケジュール上、この列車にしか乗れなかったが、最後のセマウル号の勇姿はしかと記憶にとどめ、永登浦駅では列車が見えなくなるまで見送り、かつて韓国の鉄道輸送を支えた偉大なる列車に敬意を表したい。

ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。

コメント(2)
龍山から益山へはKTXで1時間ちょっとで行けますが、
レトロで重厚な座席に座り、のどかな長項線の車窓を眺めながらの
セマウル号の3時間の遠回り旅は本当に素晴らしいものでした。
KTX開業当初はこのセマウル号車両は古くて遅い過去のものとして敬遠していましたが、
各路線から撤退し、長項線のみ運行となってしまってから、ようやくこの列車の有難さをわかることができました。
永登浦や水原などでところどころ剥げ落ちた塗装のセマウル号客車を見るたびに、かつてソウル釜山という大動脈を担い、韓国の発展とともに歩んできた車両に歴史を感じ、晩年はローカル線で優雅に末永く走り続けてほしいと思っていました。
早いけど窮屈な最近のKTXやSRTは列車に乗ることが旅ではなく単なる移動手段になってしまったいま、また一つ旅情ある車両が消えゆくことは寂しいものです。

修正 削除依頼 18.04.30 / hakol tovさん
コメントありがとうございます。
新しいものが登場し便利になる反面、古く懐かしいものがなくなる瞬間はとても寂しい限りですね。
義王の鉄道博物館に1両でも良いので、展示してくれたらいいのにな、と願ってやみません。
修正 削除依頼 18.04.30 / コネスト Yoメンさん
context
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