我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。
普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。
日本は東京マラソンも次で10周年ということで、東京マラソンをきっかけに人気が爆発したランニングも、一過性のブームではなく文化として定着しつつあると聞いているが、韓国でもランニングは人気だ(というよりは、登山や自転車も含めてアウトドア全般が人気)。ちなみに、ソウルではほぼ毎週のように、漢江(ハンガン)のどこかしらでマラソン大会が開かれていて、5kmや10kmコースは若い層が多いが、42.195kmのフルマラソンの参加者はまだまだ年齢層が高い。
韓国で人気のフルマラソンは、毎年3月に行われる「ソウル国際マラソン」と、美しい紅葉の季節に春川(チュンチョン)で行われる「春川マラソン」の2つが特に有名なのだが、先月10月25日、春川マラソンのフルコースを走ってきたので、今回はその様子を紹介するとしよう。ちなみに我輩はハーフマラソンまでは楽しんで走るが、フルマラソンは正直しんどく、何が楽しいのかまだ見出せていない。いつの日か、フルマラソンは楽しい!と感じる日が来ることを信じて、春川へと出動だ。
「冬のソナタ」、そしてタッカルビとマックッスが美味しい街・春川は、山間部の美しい湖畔の街としても有名。市内中心地の南部にある孔之川(コンジチョン)橋がスタート&ゴールになっており、そこから衣岩湖(ウィアムホ)という巨大な湖を一周するのが春川マラソンのコースだ。標高差のある山間部のコースであるため、フルマラソン初級者にはハードルが高く、特に30km地点あたりが最も標高が高く、コースのハイライトになっている。(ちなみに、春川マラソンはフルマラソンのほかに、気軽な10kmコースもある。)
スタート前 多くの参加者でごった返しの会場 |
いよいよ出発 我輩は4時間台完走のグループでスタート |
7km通過 ようやく湖畔が見え始めてきた。 |
8km地点・橋を走る。 山肌の紅葉が美しい。 |
その橋から湖畔を撮影 見事な秋晴れの素晴らしい日に走る。 |
29km地点・春川湖ダムを走る まだまだ体力・筋力は残ってる。 |
40km地点の昭陽江少女像。 35km地点から筋力がガクッと落ち、小休憩中に撮影。 |
最後のゴール。 最後は休み休み走ったものの何とか完走だ。 |
スタートして5kmくらいは小さなアップダウンがあり、10km前後あたりから20kmまではしばらく湖畔沿いを走るので景色が美しい。20kmから30kmまではダムの上を目指し、勾配はきつくないものの、ゆるやかな坂をひたすら上っていくので疲労がじわじわとたまっていく。上り坂を上りきると大体30km地点で、ここから先はここまで上った分だけ一気に降りていき、ラスト春川駅を通り過ぎたらもうゴールは目の前である。
湖を一周するコースのわりに、湖畔沿いを走るのは前半くらいの一部くらいで、大半は湖畔から離れた内陸部の道路を走ったため、思ったより湖畔を満喫できなかったが、見事な秋晴れのおかげで山肌の色とりどりな紅葉も一段と美しく、美味しい空気を吸いながらのランニングは爽快であった。一緒に付いて行ったペースメーカーの方が元気よく楽しい方で、歌を歌ってくれたり、坂道を登る際には皆で「ヨンチャ!ヨンチャ!(日本語の「よいしょ」に相当)」と声を出して走ったりと、おかげで楽しく走れたような気がする。途中、軍隊で勤務する軍人たちが道でハイタッチしながら盛り上げてくれるのも韓国ならでは。「なぜ人はフルマラソンを楽しいと言うのか?」自問しながら走ってみたものの、今回も良い答えを導き出せなかったが、答えが見つかった暁にはまたいつかチャレンジしてみるとしよう。
春川名物料理の絶品タッカルビ |
追加で注文したマックッスもなかなか |
ゴール地点から春川の中心部にあるタッカルビ通りまでは約1.5kmと近く、ゴール後、参加者の多くがタッカルビ通りを目指して移動していた。我輩も同じくタッカルビ通りへ移動。その中の一角、名物タッカルビに入った。午後3時くらいだというのに店内はマラソン客で大盛況。タッカルビ2人前にマックッスを追加で頼み、最後に炒飯まで美味しく頂き、心身ともに多いに回復できた。やはりご当地料理はソウルで食べるのではなく、現地で食べるのが一番だ。
地方旅行の際に走って、ご当地の美味しい郷土料理を頂く、という「旅ラン」なる言葉が日本のランニング業界では有名だが、今回のように、春川マラソンに出場して春川名物のタッカルビを食す、というのも十分に「旅ラン」になったのではないだろうか。これを機に韓国で「旅ラン」をやってみるのも良いな!(但しハーフマラソンまで)と思いながら、夕方、ソウルへと戻ったのであった。
ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。