JSAセットで有名な南楊州総合撮影所

我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。
普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。

ソウルの東部に位置する南楊州(ナミャンジュ)市は山あり河ありと風光明媚なエリアで、都会の喧騒を忘れ、登山に水上レジャーにと今の時期は特に人気だ。自然やレジャースポットが多い南楊州市で、外国人観光客にも人気があるのが「南楊州総合撮影所(位置)」だ。9万坪もの広大な敷地内に、オープンセット、スタジオ、編集室などが揃い、映画の撮影から編集までワンストップで出来るという映画撮影所に、初めて足をはこんでみた。

雲吉山駅に到着

シャトルバスに乗って撮影所へいざ

撮影所への行き方だが、撮影所・最寄駅の雲吉山(ウンギルサン)駅(位置)までは、龍山(ヨンサン)駅から京畿中央線に乗車すること約１時間で到着。雲吉山駅から撮影所まではかなり離れているが、駅前からシャトルバスが出ているのでシャトルバスを利用するのが便利だろう。シャトルバスに乗車すると左側には山、右側には川と、自然を感じながら車窓も楽しんでいただきたい。

＜シャトルバス時刻表＞
駅⇒撮影所　：　10：25、11：25、1：25、2：25、4：25
撮影所⇒駅　：　11：00、1：00、2：00、4：00、6：10
※2015年6月訪問時。バスの時間は変わることがあるので、訪問の際、事前に確認されたし。

まず向かった先は・・・

板門店(パンムンジョム)のセット

この船は・・・

映画「海賊」で使われた海賊船

「南楊州総合撮影所」で最も有名なオープンセットはといえば、映画「JSA」の撮影を行った、板門店(パンムンジョム)セットではなかろうか。イ・ビョンホン、ソン・ガンホ、イ・ヨンエ主演の南北前線で勤務する人たちをテーマにした映画で、実際の板門店のサイズを縮小してこのセットは作られた。実際の板門店では、南北境界線をまたぐことはできないのだが、ここでは可能。訪問客のほとんどが、作られた南北境界線をまたいで記念撮影するのが定番である。

板門店セットを後にし、奥へ進むと海賊船を発見した。これはキム・ナムギル、ソン・イェジン主演の映画「海賊」で使われた船だ。32メートルものある巨大な海賊船上でのCGやワイヤーアクション満載の戦闘シーンなど、映画をご覧になった方ならすぐにピンとくるセットが展示されていた。

敷地の奥のほうに進もうとしたところ

この日は「撮影日のためこの先通行禁止」との事

民俗村セットも撮影のためセッティング

セットを作っては壊して・・・の繰り返し

更に奥へある韓屋(ハノッ)施設「雲堂」という施設へ進もうとしたところ、係員から声をかけられた。「今日はこの先で、撮影中なので進めない」と。すかさず「何の作品を撮影しているのか」尋ねてみたところ、教えてくれずに、この先に誰がいたのかを掴めなかったのが残念であったが、瓦屋根や藁葺き屋根の家が集まっている民俗村セットを歩き回っても、昔ながらの商店街のセットが準備中であったりして、なかなか興味深かった。

関係者の話を聞いたところ、以前は国内に撮影セットが余り多くなく、年に10～20作品ほど撮影していたが、ここ数年は各地にあらたな撮影所も増え、5～10作品ほどにとどまっているが、撮影だけでなく撮影後の編集・制作の過程では数多くの作品を扱っている、との事。外にあるオープンセットのほかにも、室内セットや展示館もあるので、訪問の際はあわせて見学していただきたし。

ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。