韓国旅行口コミ掲示板「コネストコミュニティ」
我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。 さぁ、もう7月も終わり、本格的な夏の到来だ。毎日暑い中、Yoメンは先日、久々にKTXに乗って大田(テジョン)に行ってきたぞ。韓国で5番目に大きな都市である大田は、韓国中部地方に位置し、ソウル駅からKTXに乗れば、たったの1時間で到着するから、気軽にぶらり日帰り旅行にも打ってつけの都市である。
大都市であるが故に暮らしやすいのだが、逆に見所があまり多くない大田。諸君の中で大田と聞いて思い浮かぶものは何があるだろうか?よく挙げられるのは、大田駅前にある大きな在来市場の中央市場(チュンアンシジャン)(位置)、地下鉄でもアクセスが可能な儒城温泉(ユソンオンチョン)(位置)、かつて科学エキスポが開催されたエキスポ科学公園(位置)、熱狂的なファンが多い大田のプロ野球チーム・ハンファイーグルス(位置)・・・などなど。しかし、食通のYoメンなら、市内各地に点在するカルグッスの老舗店や、郊外にあるドトリムッ(どんぐりのトコロテンのようなもの)を挙げるところだが、今回は大田入門編として、一軒のパン屋を押したい。それは1956年創業で、大田のプライドとも呼ぶべき「聖心堂(ソンシムダン)(位置)」だ。
韓国には全国各地に老舗パン屋があり、特にソウルのナポレオン菓子店(位置)、群山(グンサン)のイソンダン(位置)、釜山(プサン)のB&C(位置)、光州(クァンジュ)の宮殿(クンジョン)製菓(位置)、そして大田の聖心堂の5つは、「韓国5大パン屋」と呼ばれ絶大な人気を誇る。そんな全国区のネームバリューを誇り、かつ数年前には韓国版ミシュランガイドにも掲載された聖心堂だが、創業当時から特別なパン屋だったわけではない。今に至るまでの人気を不動にした大ヒット商品が「ティギムソボロパン(揚げそぼろパン)」で、それを目当てに全国各地から人が集まっている(聖心堂の名誉のために言えば、もちろん他のパンやケーキも美味しい)。
大田駅から地下鉄でわずか1駅の中央路(チュンアンノ)駅周辺が、大田市内最大の繁華街で、特にアーケードになっているメインストリートは、ウヌンジョンイ通りと呼ばれるショッピングストリートである。そんな繁華街の一角にある聖心堂の本店の扉を開けると、香ばしいパンの香りよりも、人・人・人!である。人気の「ティギムソボロパン」は計算カウンターの近くの広いスペースで販売していて、単品でも買えるし、1箱6個入りのBOX買いもできる。あまりに人が多く、長居はできなかったが、お土産用にBOXを買い、単品を1つ、そして「ティギムソボロパン」に次いで人気だという「ブチュ(=ニラ)パン」を1個購入して、店舗を後にした。
「ティギムソボロパン」の「ティギム」は揚げ、「ソボロ」というのは、どうやら日本語の「そぼろ」から来ているようで、中身はあんこなので、アンパンの上に揚げたそぼろが付いているイメージと言ったところか。ひと口食べてみると、あんこの甘さと、そぼろのサクサク感、そして揚げているので、ややしょっぱいのと油っこい感じが、混ざった感じだ。癖になる味という感じではなかったが、これが聖心堂の核心商品の正体だ。もう1つ買った「ブチュパン」は、「ブチュ=ニラ」という名前の通り、ニラがふんだんに使われた野菜パンで、Yoメン的にはこっちのブチュパンの方がスマッシュヒットであった。野菜パンと言えば、我輩にとっては群山のイソンダンの野菜パンの味が韓国国内最強だと考えているのだが、その味にまでは及ばないものの、なかなかの美味だった。オススメするぞ。
というわけで今回は聖心堂を中心に紹介してみたが、Yoメンは「大田と言えば、まず聖心堂」と答える。もし、諸君の中に大田在住のチングがいて、そのチングに「大田と言えば聖心堂だよね」と話せば、そのチングも喜ぶんじゃないだろうか?大田を訪問の際は、是非一度、聖心堂のパンを召し上がっていただきたし。 ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。