韓国旅行口コミ掲示板「コネストコミュニティ」
我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。 つい先日、新年の挨拶をしたかと思えば、いつの間にやら、あっという間に3月になったな。韓国では3月から新学期が始まるほか、厳しい寒さも和らいで梅の花や、黄色いケナリ(=レンギョウ)が咲いたりと、3月になると「あ~春になったな~」と感じられるものだ。そんな春が来るまでの間も、Yoメンは韓国B級グルメの食べ歩きに精を出していたぞ。行って来たのはソウル近郊の京畿道(キョンギド)・龍仁(ヨンイン)である。
龍仁と聞いて諸君らが真っ先に思い浮かぶのは・・・人気テーマパークのエバーランドや韓国民俗村、人気ドラマ撮影場のMBCドラミア。はたまた交通マニアの人には龍仁軽電鉄・・・などだろうか?しかしながら、Yoメンの場合は、真っ先にこう答えるであろう・・・「龍仁といえば、白岩(ペガム)スンデ」だと。白岩とは龍仁にある地名で、白岩で食べられる白岩式のスンデのことを「白岩スンデ」と呼ぶ。 天安(チョナン)の並川(ピョンチョン)スンデや、束草(ソクチョ)のオジンオスンデと並んで、地方名物スンデの1つとして人気の「白岩スンデ」は、他の地域のスンデよりも野菜がたくさん入り、具がギッシリと詰まっているのが特徴だと言われている。そこで今回は、Yoメンもまだ食べたことのなかった「白岩スンデ」の味に迫ってみようではないか。
ソウルのから龍仁の白岩までクルマを走らせること約1時間30分。道中はいわゆる郊外の農村地帯といった雰囲気で、五日市が開かれる白岩の中心部のみに昔ながらの建物が集まっている。白岩スンデの老舗店も中心部に点在しているが、今回訪問したのは、そんな老舗店の中でも特に人気が高い「第一食堂(チェイルシッタン)」(地図)だ。(近くにある老舗店の中央食堂が既に「みんなのお店」に登録されているのが、とても嬉しいぞ)
ちょうどお昼時で混雑している店内に入ったYoメン一向は、早速スンデグッを1つずつと、モドゥム(=スンデの盛り合わせ)を注文。ほどなくして運ばれてきたのは白岩スンデとオソリカムトゥ(=豚の胃腸)がセットになったモドゥムだ。一般的にスンデというと、色合いは血の色(赤・茶)が濃いものだが、色は比較的濃くなく、具の中には野菜もギッシリだ。そこで早速、ひとつ摘んで口の中に放り込み、噛んでみると・・・これはこれまで食べてきたスンデとは明らかに違い、「甘くて、柔らかくて、そしてジューシー」だ。ホクホクで柔らかな具が口の中でふわ~っと、とろけるジューシーなスンデは初めての感動体験だ。そのまま食べても美味しいし、セウジョッ(アミの塩辛)につけて食べても美味しい。最大のポイントは温かいうちに食べることだろう。
スンデ1つだけで感動して、うなっているところに運ばれてきたのはスンデグッだ。スープの中には、スンデやご飯、コリコリとした内蔵系や、ネギがたくさん入っている。何十時間も煮込まれたスープは濃厚で、ひと口目からして美味しいと感じる。そんな濃厚スープが染み込んだスンデは、もう鬼に金棒状態で、ジューシーさが2倍・3倍膨れ上がった感じだった。この日、第一食堂で食べた白岩スンデに感動しまくったYoメンは、白岩スンデの事を「口の中でとろけるジューシー・スンデ」と題して広報活動をしている。ソウルでも白岩スンデを出す店舗があるが、本場の味とはレベルが違いすぎる。久々に現場で出会った感動レベルの味に満足し、当然のことながら白岩スンデ1人前をポジャン(=持ち帰り)し、その日の夜、仲間内で白岩スンデを肴にして楽しんだのであった(電子レンジで温めると味は落ちてしまうが)。
「せっかくココまで来たんだから、どっかに寄ってからソウルに戻ろう」ってことで、近くにある臥牛精舎(ワウジョンサ)(地図)という有名なお寺に立ち寄ってみた。臥仏(横たわった仏像)があることで知られ、どこかで聞いたことがある、という諸君も中にはいるであろう。駐車場につくと早速、仏頭(プルトゥ)と呼ばれる頭部だけの仏像が確認できる。写真を撮りながら、境内をウロウロしていたところ、親切な住職さんが声をかけてくれ、お寺の見所や歴史など丁寧に紹介してくれた。以前は日本からの観光客が多かったが、最近はめっきり減ってしまい、逆に中国や東南アジア方面の観光客がメインになっているとの事。住職さんからは臥牛精舎を是非、日本に向けて宣伝して欲しいと頼まれてしまったので、まずはココで紹介するとし、コネストとしては編集部のボスに報告をあげるとしよう。そんな臥牛精舎。興味を持たれた方は是非、訪れてみてはどうだろうか。
最後に龍仁の市内中心部の様子を簡単に紹介しよう。広い龍仁市の市内中心部は、龍仁共用バスターミナル(地図)周辺を指す。ターミナル北部にある龍仁中央市場(地図)付近が繁華街になっていて、休憩ポイントにはちょうど良い。そして2年前に完成しながら、いざこざがあって開通していない龍仁軽電鉄の高架や駅舎も確認できる。現在は来月4月の本格開通に向け、試運転を行っているとの事。完工してからかなり時間も経ってからの開通なので、各施設の再点検など入念に行ってもらい、問題なく開通してもらいたいものだ。 というわけで、素晴らしい白岩スンデに始まった龍仁日帰り探訪。諸君らも機会があれば、是非、白岩スンデを食べてもらいたく、逆にスンデマニアの人がいれば、この一食のためだけに、わざわざ白岩まで交通費を出して往復するのも充分に、アリであるぞ。ありとあらゆる地方都市を訪問しながら、現地の観光名所・名物料理を紹介する特別任務。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。