韓国旅行口コミ掲示板「コネストコミュニティ」
我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。 さて諸君、新年あけましておめでとう!昨年は大変お世話になったな。年が明け、編集部日記は昨年よりも更に熱く、よりユルく、各担当者の感性のまま韓国の日常を諸君らに届ける予定なので、コネストはもちろんの事、各編集部日記の方も引き続き、ご愛顧の程よろしく頼む。我輩はと言えば、今年は初志貫徹。韓国の地方を特別捜査し、諸君がまだ良く知らないであろう地方都市の魅力に、とことん迫ってみようではないか。というわけで、新年の挨拶もほどほどに、昨年の晩秋に行って来た「麗水・南海」編から今年のYoメン日記はスタートしよう。
とある土曜の朝。ソウルを出発し、正午には麗水(ヨス)に到着した(交通手段はというと、1年前に韓国で免許を取得して以来、運転にもだいぶ慣れ、軍師より地方運転許可が降りたばかりの我輩の運転である)。「腹が減っては戦が出来ぬ」とは良く言ったものだが、我輩の決してブレない信条「地方に行ったら、必ず現地の名物料理を食す」に従い、麗水でのランチはシタビラメの刺身和え(서대회무침・ソデフェムチム)に決めた。シタビラメの刺身和えと、セトダイの塩焼き(금풍생이구이・クムプンセンイグイ)が麗水を代表する名物料理のツートップだ。
入ったのは、麗水市内中心部にあって行きやすい「クベッ食堂」(地図)。シタビラメの刺身和え(12,000ウォン)と、アンコウ鍋(10,000ウォン)を注文すると、ほどなくしておかずと料理が運ばれ、ご飯はビビンバ用のどんぶりで出てきた。野菜と一緒に和えた刺身をどんぶりに入れ、ごま油を少しかけてかき混ぜれば、シタビラメ・ビビンバの完成。シタビラメの食感はコリコリ、味はややピリ辛で酸味が効いていて辛酸っぱいっと言ったところか。夜ならマッコリも進みそうな味で、昼ならビビンバが最高だ。アンコウ鍋のスープは辛くなく、アンコウの出汁が十二分に染み渡っている濃厚な一品。久々に美味しいと感じたアンコウ鍋であった。大満足の味に感動し、良いスタートとなった。
昼食後、海岸線の道路を南へ片道で1時間ほど車を走らせると、麗水を代表する観光名所「向日庵(ヒャンイラム)」(地図)に到着だ。お寺は山の中腹にあるので、階段を登っていくにはやや体力が必要だが、その苦労は必ず報われる。お寺に到着して目の前に広がる大海原を見れば、疲れが吹っ飛ぶことであろう。向日庵へ行く際往復約2時間+現地滞在約1時間ほどかかるが、足腰に問題のない方には麗水訪問の際、是非立ち寄ってもらいたい名刹だ。
向日庵を後にし、再び麗水市内に戻れば日も沈みかける時間になった。もう一箇所立ち寄ってから夕食を、ということで立ち寄ったのがEXPOの時に話題になった麗水の水族館「アクアプラネット麗水」(地図)だ。EXPOの各施設は現在閉鎖中だが、この水族館だけが唯一、営業を続けている。ソウルでは「COEXアクアリウム」、「63ビルの水族館」を訪問したことがあるが、比べ物にならないほど立派な水族館で、価格は大人1枚20,500ウォンとやや高めだが、価格に見合う規模・見応えがあった。これはなかなか良いぞ。
さぁ、夕食だ。水族館でカニを見てきた直後に、カニを食すのは申し訳ないが致し方あるまい、麗水に来たならケジャンも食さねばならないのだから。麗水でケジャンの有名店が集まっている通りといえば、鳳山(ポンサン)ケジャン横丁(地図)で、その通りの中の有名店の1つ「トゥッコビケジャン」(地図)に入った。麗水のカニは大きなワタリガニではなく、小ぶりなイシガニ(トルケ)を使うことで知られており、ワタリガニのサイズに慣れている人は恐らく驚くだろうが、イシガニは足や甲羅も柔らかくて美味しいぞ。メニューは「ケジャンペッパン・8,000ウォン(2人以上・1人前の料金)」しかないのだが、カンジャンケジャン、ヤンニョムケジャン、カニの足がたくさん入った鍋まで出てくるという・・・カニ三昧の名店だった。
ホテルは「梧桐島(オドンド)」(位置)のすぐ隣にある立派な「エムブルホテル麗水」(地図)。別途料金で大浴場もあり、夜チェックインした時は窓の外を見ても真っ暗で何も見えなかったが、朝起きてみると納得。窓の外は海・海・海そして梧桐島。早起きをして海から上る朝日もしっかりと堪能した。2日目は麗水を後にし、南海(ナメ)へと出発である。昔は麗水と南海の間でカーフェリーが運航していたのだが、現在は運行しておらず、また近道となる李舜臣大橋(イスンシン・デギョ)も本格開通前ということで、結局、順天(スンチョン)⇒光陽(クァンヤン)⇒河東(ハドン)と、高速道路を大回りをしながら南海(ナメ)へと到着した。河東ICで降り、南海大橋を渡る周辺の道路の両側には桜の木がたくさん植えられており、春は美しいだろうなぁ~と思いながら運転してみた(河東の桜の名所も既に『みんなのお店』に登録されておるな!)。
南海の名物料理といえば、カタクチイワシの刺身(멸치회・ミョルチフェ)だ。南海の「ウリ食堂」(地図)は創業40年を超える伝統店で、カタクチイワシ料理の名店として全国的に知られている。お店のスタッフにオススメを尋ね、カタクチイワシの刺身、カタクチイワシのサムパッ(쌈밥)、太刀魚の塩焼き(갈치구이・カルチグイ)の3つを注文した(3つで4万ウォン)。まず驚いたのは、ソウルで見かける小ぶりなカタクチイワシではなく、大きかった事。大きいから食べ応えがある。刺身は一見辛そうに見えるが辛くはなく、酸味が効きながら、ややしょっぱい方だ。これだけで焼酎が進みそうだが、運転者は自粛・・・。サンチュに包んで、ご飯と一緒に食べるのも本当に美味しく、数年間は決して忘れることのない名店に出会った気分だ。このお店のためだけに、また南海に行くというのも悪い話ではない。
南海を代表する観光名所と言えば、「南海ドイツ村」(地図)だ。1960年代に韓国からドイツへ、看護士や坑夫として出稼ぎに行っていた人たちが再び韓国に戻り、ドイツの建築材料で建てた伝統的なドイツ式住宅が集まっている場所で、現在は民宿が圧倒的に多く、中にはドイツ料理・ビールを出すカフェやレストランも数軒ある。我輩はドイツに行ったことがないので、詳しいことは良く分からないが、こういう雰囲気がドイツ式なのだろう(どちらかというとスペイン風?と思ってしまったが)。是が非でもドイツビールとソーセージを食したい所だったが、運転者のため自粛、お土産にドイツビールを一本購入した。また、ドイツ村の隣には「園芸芸術村」(地図)という世界各国の住宅や庭園を集めたランドマークもあり、一緒に見て回るのがコースになっているので、訪問の際は軽く一回りしてみるのも良かろう。 他にも南海には段々畑が美しい「加川(カチョン)タレンイマウル」(地図)など名所が島に点在しており、今回も立ち寄りたかったのだが、残念ながら時間不足で次回に持ち越しする事にした。帰り際、南海名物のニンニクと、柚子マッコリを購入してソウルへの帰途へついたのだった。 というわけで今年1年は、ありとあらゆる地方を訪れながら、現地の観光名所・名物料理を紹介していくとしよう。次回もよろしく頼むぞ。韓国の地方各地の情報が日本で広まるその日まで、Yoメンが休むことはない。