韓国旅行口コミ掲示板「コネストコミュニティ」
我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。ソウルはといえば新緑の季節が過ぎ、初夏の陽気。特命任務を果たすのにちょうど良い季節を迎えた。ソウルだけでなく韓国全土を守っている我輩だが、韓国だけでなく朝鮮半島全体の平和を維持するために必要な事は何か?と考えてみたところ、やはり空から半島全体を見下ろさねばなるまい・・・というわけで、行って来た。飛行機やロケットではなく、クルマで朝鮮半島を見下ろせる場所へ!
江原道(カンウォンド)の寧越(ヨンウォル)郡は、2018年に冬季オリンピックが開催される平昌(ピョンチャン)の南。すぐ隣には堤川(チェチョン)・丹陽(タニャン)があり、江原道のギリギリ南に位置する土地である。山や渓谷・洞窟など、ありのままの自然が多く残る風光明媚な場所も多く、詩人キム・サッカッや映画「ラジオスター」のロケ地としても知られている。そんな寧越の観光名所の中で1・2位を争うほど人気のスポットが「韓半島地形(地図)」だ(韓国では朝鮮半島の事を韓半島と呼ぶ)。
近くまでクルマで上がっていき、駐車場から展望台までは、そう遠くない。展望台は山の上にあるが、登山装備をせずとも十分に歩いていけるので、誰でも気軽に訪れることのできる場所にあるのもポイントが高い。その人気の高さを証明するかのように、お昼時に展望台に到着すると、そこには人・人・人の大群であった。一緒に行った同業の捜査官曰く、「以前はここまで人気ではなかったけど、人気旅行バラエティ番組『1泊2日』の影響で、人が一気に増えた」との事。言われてみればそうかも知れない。ちょうど1年前に、『1泊2日・女優スペシャル』として、人気女優6人(チェ・ジウ、キム・ハヌルなど)と一緒に旅行に行ったのが、まさに寧越だ。
展望台から見下ろす対岸の地形は、まさに朝鮮半島そのもの。済州島(チェジュド)こそ無いものの、韓国はもちろん、北朝鮮の領土の北端までよく緑色が続いている。周囲を取り囲むように流れる河が、ちょうど海のように見えるほか、ソウルや釜山(プサン)にあたる場所が心なしか平野部のように見えるのも不思議である。韓国内にこういった朝鮮半島のように見える地形はいくつかあるのだが、ここまで良く出来ていると、寧越の地形が一番人気なのも頷ける。この地形を見てこそ、朝鮮半島の平和を守れる、というわけだ。これでまた任務を1つ無事に遂行したのである。
しかし、寧越に来たら他のスポットも見て回らなければなるまい。寧越には、ハングルを発明した第4代・世宗大王(セジョンデワン)の孫で、第6代・端宗(タンジョン)の流刑地である「清冷浦(チョンニョンポ)(地図)」と言う悲しい歴史を持つ場所がある。世宗大王死後、世宗大王の長男・文宗(ムンジョン)が王になったが、わずか2年で病に倒れてしまったため、文宗の子である端宗がわずか12歳で王に即位。しかし在位3年で、世宗大王の次男(第7代・世祖(セジョ)・端宗の叔父)によって王位を終われ、清冷浦に流刑され、17歳になった時に毒薬を飲まされ、ここで死んだというのだ。渡し舟で渡ったところには端宗が暮らしたという御所や松などがある。訪問の際は、この辺りの歴史も知っておくと良いだろう。
「高氏洞窟(コシドングル)(地図)」という洞窟にも行ってみたのだが、あまりの混雑のため、普段よりも早く閉館してしまい、中に入ることは出来なかった。その代わり、夜、民間の天文台としては最大規模の「ピョルマロ天文台(地図)」へ行き、火星や土星、獅子座や北斗七星などを天文台の望遠鏡でのぞいてきた。地上にはビルや人工の光が少なく、大都市ソウルではなかなか星が見えないものだが、寧越では夜空に輝く星々が良く見えたのであった。
地方に行ったら、その地方ならではの郷土料理を食べなければならない・・・これは誰が何と言おうとも、我輩が絶対に譲らない、もう1つの任務である。寧越は嶺西(ヨンソ)地方にあり、他の土地よりも高地にあり、山が多いため山菜には困らないが、農作には不利な土地として知られている。そんな土地でもよく育つのは、蕎麦(メミル)、じゃがいも(カムジャ)、とうもろこし(オッスス)で、そんな材料を上手く活用した料理が多い。まず外せないのは、コンドゥレ飯。雌宝香(メタカラコウ)と呼ばれる野草のご飯で、やや苦めだが、テンジャンチゲを混ぜながら食べると、苦い中にもほのかな甘さがあり、「これは身体に良さそうだ」というのが実感できる。コンドゥレ飯を食べるなら、バスターミナル近くにある「チョンサン会館(地図)」を勧めよう。また、韓牛(ハヌ)も有名なので、夜は「東江韓牛タウン(地図)」という精肉食堂で安くて、かつ美味しい牛肉を楽しんでみるのもよかろう。
また、おやつや軽食にちょうど良いのが、嶺西地方名物の「メミルチョンビョン」だ。鉄板の上でそば粉の生地を薄く伸ばし、ややピリ辛のキムチポックムパッを載せて巻き上げたものだが、市場などで1つ1,000ウォンで食べられる。コンドゥレを包んだものは緑色をしており、辛くなくこれまた絶品である。またすりつぶしたとうもろこしを適度に固めて、冷たいスープと一緒に食べる「オルチェンイクッス」も外せない。オルチェンイとは、おたまじゃくしの事だが、形がおたまじゃくしのような事から名づけられたものだが、暑い夏にはもってこいの涼を感じられる一品であった。バスターミナル近くの「寧越西部市場(地図)」内などで食べられるので、ソウルにはない、この地方ならではの限定の味を是非味わっていただきたいものだ。というわけで朝鮮半島の平和の話から、最後は、やはり食欲には勝てない話に脱線してしまったが、今回行けなかった名所、食べれなかったご当地料理など、寧越でまだやり残した事が多いので、近くまた訪問して自然いっぱいの景色に癒されながら特命任務にまい進することにしよう!事件が絶えない朝鮮半島。Yoメンが休むことはない。編集部:Yoメン