我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。
普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。
さて諸君。4月になって花見など春を感じておられるか?ソウルはといえば肌寒い日が続いており(なんと今日の昼に雪もふった!)、本格的な春の気配はもう少し待たねばならないところだ。しかし天気に関係なく、スポーツの新シーズンがいよいよ開幕。昨年は韓国のスポーツ業界全体が競技以外の部分で話題になったものだが、そんな話題を吹き飛ばし、今年は清々しい1年になれば、と思うわけだ。韓国プロ野球は今週の土曜日(7日)に開幕し、サッカーKリーグは3月初めに開幕し、すでに5試合が終わった状態だ。今回は先に開幕したKリーグの話題をお届けすることにしよう!
2012年のKリーグは全16チームで試合が行われ、来年以降の2部リーグ制導入のため、今年は例年とは異なる方式で順位が決定する1年となっている。昨年のKリーグ優勝&ACL(=アジアチャンピオンズリーグ)準優勝の全北現代(チョンブッヒョンデ)を筆頭に、首都圏の人気チームFCソウルや水原三星(スウォンサムソン)、ACL常連の城南一和(ソンナムイルァ)や浦項(ポハン)、蔚山現代(ウルサンヒョンデ)などのチームを中心に熱戦が繰り広げられている。日本人選手はスペインからレンタル移籍してきた家長昭博選手が蔚山現代に、馬場憂太選手が大田(テジョン)に、島田裕介選手が江原(カンウォン)FCにそれぞれ所属し、島田選手は先日、嬉しいKリーグ初ゴールを記録している。各選手には怪我なく良い結果をおさめてもらいたいものだ。個別に応援しておるぞ!
そんなKリーグであるが、我が(!?)FCソウルはと言えば、開幕3戦を2勝1分けで終え、4戦目、早くも昨年チャンピオンの強豪、全北現代をホームに迎えることになった。かつてジェフ市原(現・千葉)でも活躍した元韓国代表ストライカーのチェ・ヨンスが監督を務めるFCソウルには、開幕から絶好調のコロンビア人FWモリーナと、「デヤン民国」の愛称で愛されているモンテネグロ人FWのデヤンがいて、中盤ではキャプテンのハ・デソンがゲームをコントロールする。対する全北現代は中盤に名古屋グランパスでも活躍したキム・ジョンウ、前線には国内最強ストライカーのイ・ドングッがおり、この2人の動きには特に注意しなければならない。
3月25日(日)午後3時。いよいよリーグ前半戦の大一番、キックオフである。
赤がFCソウル。緑が全北現代。 |
マナー良く熱狂的なFCソウルサポーター |
開始早々、FCソウルのディフェンダーが運悪く転んでしまったところをボールを奪われ、あっさりとイ・ドングッに先制されてしまうのだが、前半27分にはキャプテン、ハ・デソンの魂のこもったダイビングヘッドで同点に追いついて前半が終了した。(この日はハーフタイムに、人気歌手PSY(サイ)の公演もあり、ハーフタイム中もスタジアムは盛り上がった!)
後半がはじまっても両チームの攻撃は激しく、さすが全北現代・・・他のチームのように一筋縄ではいかない。途中、イ・ドングッとGKが1対1になったシーンは「ヤバいっ!」と思ったが事なきを得、後ろの方から「ドングガ~コマウォ~!ノン・チェゴヤ~!(ドングッ、サンキュー。お前、最高だぜ)」というお約束の野次が入る。その後も一進一退の攻防が続き、この日キレキレだったハ・デソンのシュートもゴールポストにあたってしまい、このまま引き分けで終わるかと思った後半44分。絶好調のモリーナの個人技で相手ディフェンス陣を突破してシュート、見事にゴールが決まると、スタジアム全体が熱狂の渦と化した。これだからスポーツは最後の最後まで分からないものだ。これでモリーナは開幕4戦で5ゴールとなり、今後もFCソウルの攻撃を牽引してくれる事だろう。興奮冷めやらぬ中、試合終了のホイッスルがなり、ホームであわや引き分けに終わるところ、何とか勝利を収める事ができたのであった。
終了間際の逆転ゴールで見事に勝利!このまま頑張れ! |
試合終了後、ユニフォームをファンにくれた笑顔のモリーナ |
一昨日(4月1日)の水原でのアウェーゲームで今期初黒星がついたFCソウル。今週の日曜日はまたホームに戻って、軍人チームの尚州尚武(サンジュサンム)との試合がある。FCソウルのホームゲーム、ソウルワールドカップスタジアムでのKリーグ観戦料金は、指定席になっているメインスタンドが20,000ウォン。自由席のバックスタンドや応援席は14,000ウォンだ。ソウルにお住まいの方、スポーツ観戦で充実した週末を送ってみるのもたまには良いと思うぞ!
万が一、スタジアムで熱狂的に応援している我輩の姿を見つけたとしても、それは特別任務という本来の目的を悟られないための仮の姿である・・・ということを最後に付け加えておこう。事件が絶えないソウル。Yoメンが休むことはない。