我輩はコネスト特別捜査官Yoメン。
普段はブラインド越しにソウルの街を観察しているが、ひとたび事件が起きたり、気になることがあれば、どんな難題だろうが即座に現場に赴いて解決する。そんな我輩のことを人々はYoメンと呼ぶ。
さて諸君。ソウル市の真ん中を東西に流れる大河、漢江(ハンガン)。漢江では一昨年、数ある漢江公園のうち4箇所が大きくリニューアル、昨年はトゥッソム地区にチャボルレがオープンするなど・・・と漢江と周辺を再生する事業「漢江ルネッサンス」が今もなお進行中である。そんな「漢江ルネッサンス」事業の中で今年、最大の見所となるのが漢江に浮かぶ3つの人工島「フローティング・アイランド」のオープンだ。この「フローティング・アイランド」、韓国語では「セビッ・トゥンドゥンソム(세빛둥둥섬⇒直訳すると「3つの光のプカプカ島」)」という名前が付けられたが、ここでは分かりやすい英語名で紹介を続けることにしよう。
「フローティング・アイランド」は高速バスターミナル近くの漢江・盤浦(パンポ)地区、「月光レインボー噴水」で有名な盤浦大橋の南端に来る5月21日(土)にオープンする予定だ。ソウル市が964億ウォンを投入し、昨年ソウルで開かれたG20サミットの会場としてデビューする・・・というのがそもそものシナリオだったのだが諸事情により工期は遅れ、ようやくオープンを迎えることとあいなった。ただし、オープン後も一部の施設では内装の調整などを実施し、全ての施設が完全オープンするのは4ヶ月後の9月になるというのは何とも韓国らしい。
「フローティング・アイランド」の主な施設はコンベンションセンターや各種レストラン、ヨットなどの水上レジャーなど。また展望デッキや屋上などにも上がれるようなので、これからは「月光レインボー噴水」を上から、はたまた食事を楽しみながら眺めることができるようになるのではないか、と期待している。一方で、この盤浦地区はソウル市を流れる漢江の中で最も土地が低い場所で、梅雨時や台風が来ると漢江の増水による浸水被害が毎年起こっている地域なため、「あえてそんな地域に人工島を作って大丈夫なのか?」と、ふと思ってしまいがちだが、そんな増水時の問題は既にクリアされている、ということなのだろう。オープンへのカウントダウンに入った「フローティング・アイランド」。いちはやく中に入ってみたいものだ。
漢江・盤浦地区の楽しみといえば、何といっても「月光レインボー噴水」だ。昨年までは一日に何度も噴水ショーを見ることができたのだが、今年はエネルギー節約方針のため、1日3~4回と大幅に減ってしまった。我輩もこの噴水ショーはこれまで何度も見てきて、この日もお昼12時のショーを見てみたが、断然オススメなのは何と言っても夜。7色に輝く幻想的な空間をもうご覧になった方も多い事だろう。昼間の噴水は見たけど、夜の噴水は見たことがない、というのは何とももったいない・・・。これからの季節は夜も過ごしやすい時期となるので、是非夜の噴水ショーを是非楽しんでもらいたい。
また、盤浦地区を訪れるのに一番良い時期はまさに今だ。毎年5月上旬になると、ソレ島(地図)の菜の花畑が満開になる。韓国の春の花は3月に咲く、梅・サンシュユ、レンギョウ。4月には桜、チンダルレ(カラムラサキツツジ)と続き、5月に菜の花だ。先週末はまだ6割程度の咲き具合だったので、今週末から来週にかけて、満開の菜の花が楽しめるのではないだろうか。レンタサイクルに乗りながら、ソウルの川辺の菜の花畑で是非、春の最後の花の香りを感じてみよう。
「フローティング・アイランド」オープンは5月21日。夕方5時からはオープニングのイベントが開かれる予定なので、諸君の中で興味をもたれた方は是非足を運んでみてはどうだろうか。我輩も当日は(隠密行動だが)イベントの様子を見守るつもりだ。
新たな時代の1ページが開かれるソウル。Yoメンが休むことはない。