近頃、日本では「韓流カフェ」なるものが色々なところでできているらしい。
インターネットで検索してみると、業種業態は様々であるが中にはイケメン韓国人がスタッフをつとめるというのを売りにしているお店もあるようだ。
その中には、同性の私が失礼ながら「イ・・・イケ・・メン?」とつい唸ってしまうスタッフの方々も正直に申し上げていらっしゃったのであるが、
それはさておき、韓流カフェと対をなす形になるが、ここソウルにも韓国という異国の地で飲食店を経営している日本人男子のお店がある。
コネストコミュニティの「みんなのお店」でその存在を知ったお店も含めて、今回は日本人男子が韓国で経営しているお店を紹介しよう。
雨乃日珈琲店
新村(シンチョン)と弘大(ホンデ)の狭間に位置する、「雨乃日珈琲店」。
オーナーの清水さんは、日常の韓国に潜むへんてこなものを、独特の視点で面白おかしく捉えて紹介するライターとしての顔も持っており、その文章にはコネともの中にもファンがいるほどである。
日本から厳選して輸入した温かみのあるテーブルやスツールが並んだこぢんまりとした店内には、センスを感じさせるBGMが会話の邪魔にならないジャストなボリュームで心地よく流れており、このお店のカウンターに腰を下ろしポツリポツリと清水さんと会話をするのが私の楽しみである。
加賀棒茶を使って煎れる香り高いほうじ茶と、産みたての卵を使って清水さんが作るお手製のプリンは絶品である。
アルコールも扱っているが、中でも生クリームにこだわったアイリッシュコーヒーはソウルの厳冬にほんのりと温かさをもたらしてくれるおすすめの一杯。
写真提供:雨乃日珈琲店
雨乃日珈琲店の詳細情報
雨乃日珈琲店ブログ
Roots Time
地下鉄2号線の弘大入口駅から5分とかからない、まさに弘大の一番街にあるレゲエバー、「Roots Time」。
私はコネストコミュニティ「みんなのお店」でこちらのお店を知った。
オーナーのシンジさんは、日本に比べ韓国であまり市民権を得ていないレゲエという音楽を広めたい、レゲエを愛する人が
もっと増えたらという想いから2008年、お店をオープン。
ハードコアな音楽好きから、私のようなただのお酒好きまで、国籍・人種を問わず多くの人から愛され、今年で4周年を迎えるのは
やはりオーナーであるシンジさんのレゲエにとどまらない膨大な音楽知識とその温かな人柄によるものである。
このお店でもやはりカウンターに座り、クチコミでも紹介されている韓国では滅多にお目にかかれないカキピーを肴に
ビールを飲みながら、シンジさんとお話をする(管を巻く?)のが私のささやかな楽しみである。尚、残念ながら同じくクチコミで
紹介されている北朝鮮のビール、大同江ビールは現在は無いとのことである。
また、定期的にレゲエのDJパーティーも開かれているので、興味のある方は是非事前に情報をチェックして行くのが良いだろう。
写真提供:RootsTime
2014.07.11 閉店しました。
和製酒場 オクタ
3軒目は、最近できたばかりのお店を紹介しよう。
弘大の雑踏を離れて歩くこと約10分。さきほどまでの弘大の煩雑さが嘘のように思える静かな住宅街の中に、
ぽつりと灯りがともった一見オープンカフェのようなたたずまいのお店が見える。
「和製酒場オクタ」は、オーナーのコースケさんが直接腕をふるう、本場日本の居酒屋メニューが味わえるお店である。
店内は韓国にいながら昭和にタイムスリップしたかのようなレトロ感を感じさせ、時空を超えて懐かしさを覚えてしまう造り。
気になる料理の方は、屋号の通り「和"風"」ではなく「和"製"」であることを感じさせる正統派日本の味。
個人的におすすめである、サバみりんや牛スジの煮込みなどのメニューは、最近雨後の筍のように増殖している、韓国人が
経営する「和"風"」居酒屋では絶対に味わうことのできない日本の味である。
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牛スジの煮込み |
サバみりん |
お酒の取り揃えもなかなかのもので、ハイボールから、黒霧島などの焼酎類、八海山などの日本酒、日本のクラフトビールを代表する
常陸野ネストビールまで、幅広く日本のお酒が揃っている。
写真提供:和製居酒屋オクタ
韓国生活で日本の素朴な居酒屋メニューが恋しくなった留学生や駐在員の方々に、是非おすすめしたいお店である。
和製酒場 オクタの詳細情報
以上3軒、たまに私がふらりと訪ねて行っては楽しい時間を過ごすことのできるお店と、そのオーナーたちである。
オープンまでの物件探し、内装の決定や、オープン後の食材の仕入れ・調達、酔客の対応など、言葉の問題も含めて、
異国の地で外国人が飲食業を営むというのは、そう簡単なことではないと聞く。
そのような大変な状況で、自らが主となり、お店を切り盛りしながら、多くの韓国人・日本人のお客さんたちから愛される、
今回紹介した3人のバイタリティ溢れるオーナーたちは、私にとってルックスなど関係なく、無条件に皆「イケメン日本人オーナー」
なのである。
韓国旅行の道中、お暇があれば是非このイケメンオーナー達のいるお店で、束の間の休息をとってみてはいかがだろうか?
編集部:tjbang
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