韓国で暮らしはやウン年。生活様式や習慣の違いにはもはや慣れ、ちょっとやそっとのことでは驚かない自分がいるのであるが、逆にそれが物足らないと感じたりしてしまう自分もいる。「どひゃ!これはやられた!」というような、「韓国での驚き」を渇望しながら暮らしていた最近であったが、久々に先日「これはやられた!」というお店に出会った。 友人が「美味い家鴨(アヒル)を食わせる店があるから」と、車で美味い家鴨を食しに出かけた時のことだ。向かう先はソウル市内の繁華な飲食街かと思いきや、車が進むにつれ車窓の風景からは次第にビルどころか人家もなくなり、遂にはほとんど人通りの無い集落に入り込んだ。 見渡すと周りには無数のビニルハウスがずらっと並んでいるばかりで、こんなところにとても美味い家鴨を食わせる店があるとは思えない。 カーナビの道案内もあてにならなくなり始めた頃、一軒の真っ黒なビニルハウスの前に友人は車を停めた。
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ビニルハウスがひたすら並ぶ人気の ない道を進む。 |
一軒の真っ黒なビニルハウスが… |
良く見ると、ビニルハウスに 「オリ(家鴨)…」の文字。 恐る恐る中に入ると・・・ |
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どひゃあ!!なんじゃこりゃ! |
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ハウス内にかかっているメニュー表には「오리(家鴨)」の文字。 どうやら本当に家鴨を食べさせてくれるお店らしい・・・。 |
真ん中が空いた不思議な形のテーブルに座り待つこと数分、 本当に家鴨が出てきた。 |
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辛味噌で合えた家鴨を鉄板で良く焼いて・・・ |
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お野菜で巻いたらいただきます!! |
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残った具材にご飯とたっぷりのごま油を加えて・・・ |
シメはポックンパッ(チャーハン)で! |
それにしても、こんな人気の無い場所にあるビニルハウスの中で、まさか家鴨を食べられるとは、誰も思わないだろう。
店のご主人と話してみると、家鴨の養殖をしている方で、近所の養殖場で育てた家鴨をこうしてこのお店で振舞っているのだと言う。
驚いたのは、こんな辺鄙な場所にあるお店にもかかわらず、私がいる間にもちょこちょことお客さんが来ていたということだ。
どうやら口コミでお客がお客を呼ぶらしい。
「前にも日本人の観光客が韓国人に連れられて夜にきたけど、この辺ビニルハウスしかないからね、
夜は本当に真っ暗なのよ。お肉を食べに行くどころか、店に入ってくるまでは自分らがとって食われちゃうんじゃないかなんて
不安になりながら来たって後から言ってたらしいわよ」とご主人が笑いながら話してくれた。
ビニルハウスの中にある家鴨肉屋さん。このありえないシチュエーションに、久々に韓国から心地よい驚きと
衝撃を受けながら食した家鴨とポックンパッは、もちろん美味なのであった。
編集部:tjbang