まったく時の流れと言うものには、驚かされる。
この夏、コネストに平成生まれのフレッシュマンたちがやってくると言うのだ。
流石にそれほど年齢差のある世代と、日常生活で触れ合う機会はない。
一体そんな年齢差のある彼らと、まともなコミュニケーションがとれるのか…。
不安が頭をかすめる。
さらに驚くべきことに、今回は大量採用であるとのこと。
具体的な数は当日まで伏せられているという特殊な状況で、実際に対面した時に初めてその数を知ることができるという。
彼らの業務内容と所属についても、上層部から出たアナウンスは以下のみであった。
「フレッシュマンの所属は『戦略癒し室』とする。彼らの業務内容は『癒し、癒し、そして癒す』。その対象は現存のコネスト
スタッフだけでなく、全ての人を対象とするだろう」
社内のスタッフに対してさえも撹乱を図るような謎の情報を流すと言う、コネスト首脳陣の徹底した秘密保持の姿勢から、
彼らにかける期待がいかに大きいかが推し量れる。
と、同時にフレッシュマンからなる新チームに対する謎と関心は深まるばかり。
「『戦略癒し室』?」「一体どんな子等が?」「病弱だったらどうしよう?」など、直前まで社内はこの話題で持ちきりであった。
そんなさなか、世代の異なるフレッシュマンたちと実際に接したこともない私は、上司としての彼らとの上手な接し方や、
育て方などを知るため、付け焼刃でも良いからと本を購入し、その内容を何度も読みながら反芻する日々を重ねていた。
独学の結果か、その数もわからない平成生まれの新人たちに対する私の不安は、最終的には
「平成生まれだかなんだか知らんが、よちよち歩きの青二才ども、こちとら多少は社会経験のある大人!
お前らなんか赤子も同然じゃい!」と、逆にその対面の日が待ち遠しくなるほどであった。
そして6月22日、その日はついに来た。
コネスト「戦略癒し室」のフレッシュマン10人(匹)です。
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入社したて(生まれ立て)のフレッシュマンたち。 緊張からか皆が一様に目をつぶってしまっている。 |
慣れない環境で落ち着かないのか、身を寄せ合っている。 |
かくしてコネスト「戦略癒し室」のフレッシュマンの面々は、人でないことが判明した。
しかも「赤子同然」ではなく、赤子である。
だが、それがどうしたと言うのだろうか?お乳を飲み、おしっこをし、眠り、またお乳を飲みを繰り返しているだけの彼らに、
コネストスタッフは一分の隙もなく癒しを与えられている。彼らにとっての癒しの戦略は、無意識・無邪気だ。
彼らは無意識に、彼らに与えられた職務を完璧に全うしているのである。
生まれながらにして、いるだけで仕事になる。
これは彼らのような、選ばれしかわいこちゃんたちにしかできないまさに「キャリアゼロの匠(たくみ)の技」である。
そしてそれは、直属の上司、「戦略癒し室長」の肩書きを持ちながら同時に母でもある、コッちゃんの頑張りによって
支えられている。
この直後、「戦略癒し室」に続き、早くも新しい部署が急造で設けられた。
現在「戦略癒し室」の面々の新人研修(という名の育児)のために作られた「戦略飼育室」がそれだ。
コッちゃんはもとより、この10人(匹?)のフレッシュマンにすっかり魅せられた私も、そろそろ名刺に入っている
肩書きを変えようかと思っている今日この頃である。
編集部tjbang
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