「食べるべきか、食べざるべきか。それが問題だ」
湯気を放つ器を前にして、いつも思う。何のことかと言えばノグリのことである。
ノグリとは、韓国インスタント麺界で不動の地位を占める食品メーカー、農心のロングセラー商品だ。
農心と言えば、辛ラーメンを先に思い浮かべる人が多いだろうが、現存する農心ブランドの中でもっとも息の長いインスタント麺は、実はこのノグリなのだそうだ。
1982年誕生、容量120g、カロリー510kcal、定価800ウォン(いずれも袋の場合)。
商品名通りタヌキのイラストがトレードマークのこのラーメンは、その独特の麺の太さと海鮮ダシによって、多くの人を虜にしている。
かく言う私も、そんなノグリに魅せられた者の一人だ。
あの太麺のボリューム感と食欲をそそる海鮮ダシの香りは、他のインスタント麺にはないオリジナリティを感じさせる。
何よりもノグリをもってして、その唯一無比の存在にたらしめているのは、麺と一緒に入っているあの昆布だ。
同時にこの昆布こそが、まさに冒頭の疑問の種なのである。
どうやらこの昆布、例の独特のダシを出すためにお使いなさいという、農心側の思いやり、かつ秘伝のダシの素のようであるが、いざ食べる段になると、この昆布を食べずに捨ててしまうのも勿体無い。
かといって本来ダシを取ることを目的に入れているのであれば、食べるのもなんだか少し抵抗がある…。 結局食べたり食べなかったりするのが続いていたのだが、他の人は一体この緑の乾物をどう処理しているのか。
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この疑問を解き明かすため、思い切って周囲のコネストスタッフに聞き込みをしてみた。
【質問】「あなたはノグリと一緒に入っている昆布を食べますか?」
【調査対象】コネストスタッフ12人(日本人、韓国人いずれも含む)
【集計結果】食べる 6人
食べない6人
【食べる派の声】
・当然食べるものだと思っていました。食べない人がいるんですか?
・彼と二人で食べる時には取り合いになることもあります
・最初は迷ったけど、食べてみたらおいしかったので・・・。
【食べない派の声】
・あれは食べるものじゃないでしょう?ダシをとるものです
・なんか体に悪そうなので…
民主主義の原理に則った決定で暫定的な結論を出そうと思ったものの、なんと見事に2つに割れてしまった・・・。
このままでは埒が明かない。こうなったら直接販売元に確かめるしかあるまい。
当の農心は昆布をラーメンの具として供しているのか、それともあくまで美味しいスープを作るための素材としか考えていないのだろうか…。奇しくも4年前の同じ時期に別件で問合せをした農心顧客センターに問合せてみた。
tjbang 「あの、お聞きしたいのですが、ノグリというラーメンに一緒に入っている昆布は食べていいんでしょうか?」
顧客センター「はい、食べても大丈夫ですよ」
tjbang 「え???!!!あれはスープのだしを美味しくするために入れてるんですよね?でも食べていいんですか?
体に悪いとかはないんですか?」
顧客センター「食べてはいけないものを弊社で出すことはありません。あの昆布は食べる方も食べない方もいると聞いています」
tjbang 「…そうですか…。ちなみにお姉さんはどちら派ですか?」
顧客センター「私は食べる時もあれば食べない時もあります。」
なんとも玉虫色のお答えであった…。
結局「食べるべきか、食べざるべきか。それは問題でなく、好きに食べれば良い」ということになってしまった。
答えは宙ぶらりんのまま、なんとなく消化不良であるのだが、これでこそ「キンガミンガ(そうかそうでないのかはっきりしないさま)」
という本コーナーのタイトルにふさわしいのではないかと思う。
編集部:tjbang
<ノグリちょっとイイ話>
普段宝くじのロトを買い続けながら、一攫千金を夢見ている男がいた。ある日6匹の龍が宝の玉を加えて天に昇っていく夢を見た男は、今しかないとロトを大量購入した。しかしロトはひとつも当選せず、呆然とした男は「ラーメンでも食べるか」と考えた。普段良く食べていたノグリの封を空けた瞬間、男は驚いた。袋の中に昆布が6つも入っていたのである。
(農心ホームページより)