皆さんコンニャンハセヨ〜。長月の初日、だいぶ朝晩涼しくなってきたソウルから今週も編集部日記をお届けしまーす。
気づけばtjbangがこの編集部日記を書き始めてからすでに約3年…。これまで韓国の日常(と書いて全くタメにならない話と読みます)を徒然なるままにダラダラと書き綴ってきたわけですが、今回はtjbangの編集部日記史上、最もセコくてタメにならないお話をさせて頂きたいと思います。
会社のすぐそばに刺身屋(韓国では『フェッチッ』といいます)があるのですが、たまにそこからテイクアウトで刺身などを注文して夕食を食べることがあるんです。韓国ではこのフェッチッ、意外と身近な存在で主にヒラメなどのお刺身をサンチュなどの葉っぱに包んで、コチュジャンだったりチョジャンという「辛酢味噌」とでも言うべき薬味などをつけて頂きます。
今回のテーマはこのチョジャンなる「辛酢味噌」。テイクアウトですから、写真のような市販のパック入りのチョジャンをお店の人が持たせてくれるのです。これがですね、その〜、セコ過ぎて非常に言いにくいのですが…、手でね、開かないんですよ…。
…すいません、本当にセコイ話で。でもこれがパックの角の部分をつまんでビニールを剥がそうと思っても本当に開かなくてですね、たいていの場合ハサミやカッターを使ってビニールを切ったり、または運良く思い切り手で開けて開いた時には、勢いでチョジャンがピシャリと飛んで、お気に入りのTシャツに鮮やかな赤い点を描いてしまうという運の悪いことになったりするわけです。
いや、正確には「なっていたわけです」。つい先日までは。
そんなパック入りチョジャン不遇の時代を送っていた、数日前のこと。久々にお刺身をテイクアウトしていつものように諦めの気持ちを抱きながらも、どこか一縷の望みを抱いて手で開けてみたビニール…。
「ビリッ!」
うわー!開いた!手で開いた!いつの間にこんな商品改良が!?産業革命だ!パック入りチョジャンのビニールを指で開封できる時代がついにやって来たんだ!
…などとその瞬間の驚きを実際の5割増で書いてみたところで話のセコさはごまかせない訳ですが、しかし、tjbangのような韓国という海外で暮らす者にとって、こういったセコイ話が意外に大切だったりするわけなのです。
生まれてから暮らしてきた日本では当たり前のこと、習慣、文化。これらのことがたった2、3時間飛行機に乗るだけで通用しないことが多い世界。些細な違いが鮮やかに、面白く見える一方で、時にはそれが少しずつ少しずつストレスになったりするわけです。
そしてある時、自分にとって否定的な意味合いを持ったそうした「ここではあたりまえじゃないこと」が、改良、改善された時の感動!
tjbangは「便利こそ善なり」と考える便利至上主義者でもなく、不便だったけれどそれが良かった古き時代を懐かしがる不便懐古主義者でもありませんが、日常生活の中でなにかしら韓国が良くも悪くも変わって行っているんだなと感じられるこういった瞬間が、韓国在住者としてなぜだかとても嬉しく思えるわけです。
…とこれまた大げさなことを書いてしまいましたが、たかがチョジャン、されどチョジャンなわけでございます。
そんなわけでお気に入りのTシャツを赤く染めることなく晩御飯のお刺身を食しながら、「次は牛乳パックに期待だな…」と思ったtjbangでした。
韓国の牛乳パック、必ずうまく開かないんだよなぁ…。
編集部:tjbang