皆さんコンニャンハセヨ〜。師匠も走る忙しい時期に入って、今年も残りあとわずかですね。
12月を迎えtjbangも「1年の間にできなかったことを何かせねば!」という焦燥感にかられて今年いっぱいでひとまず休演に入ってしまうミュージカル、「地下鉄1号線」を先日観てきました。
周囲のコネストスタッフから面白いという話を既に聞いていたので、敢えて事前の予習はなるべくせずに、かといって過剰な期待は抱かずに観劇してきたのですが、観た後は「もっと早く観ておくべきだった」と軽く後悔するほど面白かったです。
ストーリーの詳細は紹介記事を読んで頂くとして省略しますが、驚いたことが1つあります。それは、自国、または自国民に対してのプライドや自信が(日本人のそれに比べて)強いと思われる(ともすれば否定的な意味合いから『民族主義的』とまで言われる事がある)韓国において、現在のソウル、ひいては韓国、そして韓国国民の「痛いところ」を突くような痛烈な風刺がてんこ盛りに盛られたこのミュージカルが、当の韓国の人たちに受け入れられていて、14年間、3000回以上のロングランを続けているということです。
IMFという国家規模の挫折や、地下鉄内で起こる韓国の日常だけれども決して見ていて良いとは言えないリアルな風景、韓国社会でその存在を否定されがちなマイノリティの人々など、出てくるものすべてが韓国、韓国人にとっては「痛いもの」であるはずにも関わらず、観ている人が声を出して笑っているという状況が、tjbangにとっては意外だったのです。
もちろんコメディとしてとてもよく練られた演出や、生バンドを伴ったミュージカルの形態がその「痛さ」を笑いや娯楽にしっかりと昇華しているところがこの劇のすごいところだとは思いますが、日本にいる頃と比べて、韓国では「自虐的な」あるいは「自嘲的な」何かを「笑い」にしてしまうということをあまり多く見かけなかったような気がしていたので、驚くと共にまた韓国の新しい一面を見たなあと感心した次第です。
なんだか話がちょっと堅くなってしまいましたが、「地下鉄1号線」は今年いっぱいで一度休演、その後2009年に大々的にシナリオを変えて21世紀バージョンとして戻ってくるそうです。
残念ながら今年の公演のチケットはすべて売り切れてしまったそうですが、新しくなった「地下鉄1号線」
が帰ってきたときには、是非コネスト読者の皆様に強くお奨めしたいなと思ったtjbangでした。
編集部:tjbang