コンニャンハセヨ〜、tjbangです。桜の花もほとんど散ってしまい、日中に出歩くと少し汗ばむくらい暖かくなってきたソウルですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さて、tjbangはそんな春の陽気の中、先日久方ぶりの釣り!!!に行って参りました。昨年知人に連れて行ってもらってから釣りの面白さに目覚め、その後も暇をみつけてはちょこちょこと出かけていたのですが、冬の寒い間は流石に無理だと言うことでしばらくお休みをしておりました。長かった冬が明けて春になり、この度ようやく今年初の釣行に出たわけであります。
一口に「釣り」と言っても色々ありますが、tjbangがするのは海釣りでもなくバス釣りでもない、ヘラブナ釣りというやつです。日本でもヘラブナ釣りは愛好家が多いそうですが、このヘラブナ釣りひとつとっても日韓の違いがあるから面白いんですねえ。
詳しい説明は長くなるので省きますが、獲物がかかった時に一瞬でウキが下がるのが日本の主なヘラブナ釣りであるのに対して、韓国では少〜しずつ少〜しずつウキが動き、完全に獲物がかかった時にウキが「スーッ」と上に上がっていくんです!この少しずつウキが動き始めてから、上がりそうで上がらない様子をジーッと見守りながら、「ほら!頑張れ!上がれ!」と心の中で唱えている時の、焦れったさと興奮と緊張が入り混じった感じ、そして実際にウキが上がった瞬間に竿を引いて、魚がかかった時の手ごたえが韓国のヘラブナ釣りの面白さだとtjbangは思っています。
このハラハラ感とかかった時の多幸感は、嫁さんの出産に立ち会った旦那の心境に近いとでも言いましょうか?(ちなみに立ち会ったことはありません)
というわけで今回向かったのは忠清北道(チュンチョンプッド)の陰城(ウンソン)郡というところにある貯水池。お金を払って入場するので一応「釣堀」ということになるのでしょうが、屋根があるわけでもなく大きさは湖くらいあるので釣堀と言う感じは特にしません。到着するなり準備を整えること小一時間、用意されたソファにどっしりと腰掛けて長丁場の戦いがいよいよ始まります。
・・・と言っても釣れない時は本当に何時間も何のアタリもなく、何のアタリもない時はすることも特にありません。一晩中いて一匹も釣れなかった時もあり、我々(といっても二人)コネスト釣り部隊は、そんな自分たちを鼓舞する意味でも「釣れんボーイズ」を名乗っています。そして釣れんボーイズの二人は、アタリがない時はそのイラ立ちを鎮めるために、ひたすら風光明媚な韓国の自然に身を委ねるわけです。
優しく頬を撫でる風を感じながら、水面ギリギリに浮かんだ、さざ波に揺れるウキをジーっと見つめる。さざ波の向こうには鏡のような山の緑と青空のシンメトリー。
バシャリと水面を跳ねる魚が静寂を破ったかと思うと、聞いたこともない鳴き声で鳥が「ワギャー」と鳴き、気づくと辺りは少しずつ黄昏の中、やがて全てが闇の黒に塗りつぶされる。鼻を刺激するのは水を入れてこねた餌の匂い−。さっきまで山と空を映していた水面には、満月がキラキラと輝く−。
いやーこれこそまさに「花鳥風月」!tjbangが釣りをする時のもう一つの楽しみは、この視覚と聴覚と嗅覚を柔らかく刺激する韓国の自然を感じることでもあるわけです。
結局今年初の釣果は、雨に降られたりしながらも、夕方から次の日の朝までで2人合わせて10匹ほどでした。tjbang個人としては、お目当てのヘラブナはほとんど釣れず、コイがたくさん釣れてしまいました(泣)。学生時代にコイが主人公のオリジナルソングである「君にコイヘルペス」などという歌を作ったせいかもしれません。コイはヘラブナのような繊細なアタリを見せてくれないからあまり好きではないのですがねえ。
というわけで久々の釣りは、魚を釣るのはもちろん、韓国の自然を味わうことができてやはり最高だったわけです。今年も暇を見つけては、あの繊細なウキの動きを感じに、そしてダイナミックな韓国の自然を感じに、釣行を重ねようと思っている釣れんボーイズなのでした。
編集部:tjbang