皆さんコンニャンハセヨ〜。長かった冬もついに終わり、ようやく春めいてきたこちらソウルですがいかがお過ごしでしょうか?日本と違いスギ花粉が飛ばない韓国の春は、アレルギー持ちのtjbangには文句なしの季節でございまして、日に日に大きくなってくる春の足音をBGMに小躍りしている毎日でございます。
・・・とそんな春の陽気に浮かれているtjbangのもとに突然のニュースが舞い込んできたのは先週のこと。あまりの衝撃に小躍りも止まってしまうほどでした。
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ソウル市は12日、看板などの屋外広告物を「公共デザイン」とみなして管理、整備するために「屋外広告物ガイドライン」を制定・発表した。呉世勲(オ・セフン)市長は「韓国の屋外広告物は適切な情報提供としての機能を超えて、視覚公害のレベルにまで達してしまった」とし、「ソウルを高品格のデザイン都市にするため看板の数、大きさ、表示、内容を最小化するガイドラインを作った」とコメントした。このガイドラインは4月からニュータウンなどの開発地域と、新築の建物を対象にまずは施行され、既存の看板は新たに交換する際に適用される。看板の内容についての規制は屋号、ブランド名を主とし、余白は残すこと。ただし取り扱っている品目やメニュー、実物イメージなどは表記できないようになる。
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この「ガイドライン」、要は街の景観を壊す不法に設置された看板を少しでもなくそうという意図のもとに作られたようですが、tjbangにとって大事なのはその「内容」まで規制されてしまうという点なのです。
皆さんご存知ないかと思われますが、tjbangはコネストスタッフでありながら韓看採集家としての肩書き(?)も持っております(その活動の記録についてはこちらをどうぞ)。
上の要約通り、看板の「内容」まで規制されたならば、韓看協会が採集した魅惑の韓看たちはほぼすべてが絶滅してしまう恐れがあるということなのです。
なぜなら多くの韓看は、取り扱っている品目やメニューが擬人化され、「グッド!」や「ペロリン」をしながら「自虐」的にお店の宣伝をし、タコやタイ、カニなど実物のイメージがバシャリと海から「リアル」に飛び出すことで、お店のイキの良さを表しているからです。
「もしも韓看がなかったらと 想像してごらん」と、ジョンレノンばりにガイドライン適用以降の韓国の街並みを思い描いてみると、なんの自己主張も商魂も感じられないのっぺりとした看板だけが並んでいる、韓国らしくないイメージが思い浮かんでがっかりしてきます。
「取り扱っていない品目がダメなら、取り扱っている人を前面に押し出していこう!」と、今でもたまにみかける、お店の主人の顔がデカデカと描かれている看板が街に溢れるというのもちょっと嫌ですし・・・。
ここ最近、韓国からこういったオリジナルな古き良きものがドンドン消えて行ってる気がします。
事件で焼失したとはいえ崇礼門(南大門)からはじまって、韓国屋台は合法化とソウル市の管理のもと、スマートになりつつあるようですが、あの屋台独特の雰囲気はなくなりつつあるようですし、600年前からある鍾路(チョンノ)のピマッコルも再開発のためほぼ無くなる事が決まったそうです。そこにきてこの看板ガイドラインの施行・・・。
街の景観が美しくなるということはもちろん良いことだと思いますが、「洗練」をあまりにも志向しすぎることで
漂白化された街並みが、どこに行っても変わらない「面白みのない場所」になってしまうことは避けなくてはいけないと思うのですが。
長々とぼやきましたが、とにかく韓看が危機を迎えていると言うことで、暖かくなったことだし絶滅する前に少しでも写真におさめておかなくちゃなと思っている春の日々なのでありました。
編集部:tjbang