昔アルバイトしていた弘大(ホンデ)にあるお店で、日本のハナレグミというミュージシャンのライブ2daysが先日あったので、遊びに行ってきた。
ハナレグミという日本のミュージシャンが、なぜ韓国の小さなカフェでライブをすることになったか、その経緯は省くとして、どこからこんなに人が集まって来たのかと思うほど当日の会場は韓国人、日本人でごった返し、韓国語・日本語が飛び交っていた。
ライブは両日とも大盛況に終わった。最後は大合唱。日本語の歌である自分の歌を、声を張り上げて一緒に歌う韓国の人たちにミュージシャンもびっくりしながら大喜びしていた。
日本人とか韓国人とか関係なく、その時間・空間を皆で共有できるという音楽の素晴らしさを久々に思い出した。ライブ後の打上げでも宴は続き、ひとつの音楽を通して知り合ったばかりの韓国人と日本人が、言葉も通じないのに歌と踊りだけで笑いながらコミュニケーションしている姿は見ていてとっても気持ちが良かった。
「ウマゲヌン クッキョン オプタ(音楽には国境は無い)」
演奏の合間のMCでメンバーの一人がつたない韓国語で言った一言。今まで何度となく使い古されてきたように思われるこの言葉。でもあの日の夜を過ぎてからはその言葉の持つパワーのようなものを妙に実感することができる。
「わたし」が国家の一員であること、そして「あなた」が違う国の国家の一員であることを過剰に意識する大規模な「国際交流イベント」の類と、国籍や肌の色、言葉の違いはひとまず置いておいて、「同じモノが好きなわたしとあなた」から出発した、個人レベルの付き合い。どっちが堅苦しくなくて、より互いの思いが見えやすくて、なにより純粋に面白くて楽しいか?
あの時に撮影した写真の、皆の表情を見てそんなことを思った。
日本で生まれ育ち、まがりなりにも現在韓国に住む者の一人として、「国際交流」というやつについて考えさせられた時間だった。
ともあれあの日に出会えた全ての人たちに感謝(驚)!
編集部:tjbang