先週末から一気に冷え込み出して、土日には雪が積もったこちらソウルですが、皆さんいかがお過ごしですか?
さて今回は韓国のタバコ事情について、自身も愛煙家であるtjbangがお伝えしたいと思います。
tjbangが韓国に来て最初に驚いた韓国タバコ事情は、韓国人の友人と古びたサムギョッサル屋に行ったときのこと。席についてタバコを吸いだしたのですが、灰皿が見当たらない。灰皿をもらいに行こうと席を立った時、友人がこう言ったのでした。
「灰皿探してるの?だったらただ床に捨てればいいんだよ」
この言葉を聞いて辺りを見回すと、確かに床には前に来たお客さん達が捨てていった吸殻が落ちていました。習慣とは怖いもので、お店の床に、タバコの灰はもちろん、吸殻さえ捨てたことのなかったtjbangは、なんだかドキドキしながらそーっと床に吸殻を置いて、足で静かにタバコの火を消したものでした。
このエピソードからもわかるように、日本に比べて喫煙マナーがそれほど確立されていない韓国では、歩きタバコはもちろん、吸殻も平気で道端に捨てる人がけっこういます。そんな状況ですから、tjbangが持っている携帯用灰皿を見たときの友人たちは大変驚いたものでした。韓国にはまだ「灰皿を携帯するという概念」がないからです。
そんな韓国の成人男性の喫煙率は、‘97年のWHO(世界保健機構)の調査によると世界一位。この数字の裏には、軍隊が関係しているという話があります。同じ部隊の者同士が、タバコを吸いながら話をするというのが、軍隊では大事なコミュニケーションだと考えられているからだそう。そんなわけで、軍隊に行く前にたばこを吸わなかった人が、軍隊から帰ってくると立派な愛煙家になり、喫煙率が上がる・・というからくりのようです。
それだけ男性の愛煙家が多い韓国ですから、男同士でタバコ談義が弾む時がけっこう頻繁にあったりします。「あの銘柄はうまい」だとか、「昔吸ったあのタバコは強かった」などなど、他愛のない話ですが、初対面の人と話をする時には、意外とそれで打ち解けたりすることもあるんです(もちろん一緒にタバコを燻らせながら)。
では女性の場合はどうでしょうか?韓国では未だに女性が外でタバコを吸うことが、社会的に許されていないムードがあるような気がします。もちろん、居酒屋やカフェなどでは自由に吸えますが、例えばお店の軒先にある灰皿の前など、閉鎖されていない公共の空間で一服している女性は、全く見たことがありません。一般論で言ってしまえば、儒教思想の名残だといえるのでしょう。外でタバコを吸っていた女性が、お年を召した男性に殴られたという事件があったり、実際にtjbangも日本人女性の友人と一緒に、外の灰皿のある場所に座ってタバコを吸っていたら、信号待ちをしている車の中のおじさんに、罵詈雑言を浴びせられたこともありました。
「どうして女性だけが!?」と思われる方もいらっしゃると思います。個人的にtjbangもそう思いますが、それが良い悪いかというものではなく、今の時点では、「それが韓国の現実だ」ということなのです。おどかす訳ではありませんが、女性はホテルやお店の中以外で、人の目につく場所での喫煙はなるべく避けるのが良いかと思われます。殴られたりすることはほとんどないでしょうが、人目をものすごく引く行為であることに間違いはないからです。
韓国のタバコ文化については、まだまだ面白いエピソードがたくさんありますが、今回はこれくらいで。韓国に旅行に来る際には、男性・女性を問わず、喫煙マナーを守って、楽しい旅行をしてくださいね。
編集部:tjbang