先週末、ある韓国人の友人の送別会に行ってきました。彼がどこへ行くのかといえば韓国人男子であれば誰もが避けて通ることのできない、軍隊。彼は空軍の兵士として多くの韓国人男子が行く陸軍よりもずっと長い27ヶ月もの間、兵務に就くことが決まっており、そんな彼との別れを惜しむ為にこの日沢山の友人が集まりました。
tjbangの韓国人の友人たちは、皆すでに兵役を終えた20代後半から30代前半の人達がほとんど。そんな中、「マンネ(末っ子)」として皆にかわいがられていた20歳の彼が、tjbangの知る友人の中でこれから軍隊に行く初めての友人なのでした。
彼はそれほど口数が多いほうでもなく、普段は皆といてもボーっとしていて静かに笑っていることが多い子で、それでも日本からやってきたtjbangに会えば気遣って声をかけてくれたり、前回の編集部日記で紹介した北漢山にも一緒に行ったりして、決して沢山ではないけれどよく一緒に時間を過ごしました。
そして、彼には7つ年上の、「姉さん女房」を地で行くようなヨジャチング(彼女)がいます。
いつもより少し多めのお酒が回った宴の席では、皆いつもと何ら変わりがないかのように笑顔ではしゃいでいました。ただいつもと違うのは、宴の主役である彼が少し饒舌であることと、「軍隊に行ったらさぁ・・」とその彼にいつも以上の明るい笑顔で彼女が冗談を飛ばしていること。
お酒のせいもあってか、そんな二人の姿を見ていてなんだか妙にせつなくなってしまったtjbangは、向かいに座っている、別の友人に聞いてしまいました。
「悲しくないの?」
「そりゃあ悲しいよ。あたしだって20代の初めに周りの友達が軍隊に行き始めた頃は彼氏じゃなくてもどれだけ泣いたか。でも今までこうして何人もの友達を軍隊に送っていくうちにね、そういう悲しさにも慣れたよ。それに、悲しんだからってどうにかなるものじゃないしね。」
20代序盤という、心身ともに一番充実している時期に好きなこと・人と否が応でも離れ離れにならなければいけない、軍隊という韓国独特の現実とそれを巡る別れの寂しさ。tjbangはそれを本やコネストの情報を通じて知ってはいましたが、今回友人を通して初めて、それをすごくリアルに感じました。
そしてまた、徴兵制による別れの悲しみというやつにまだ慣れていないtjbangにとっては、そんな悲しい現実を心の中では悲しいと思いながらも、決して言葉や表情には出さず笑顔でいる韓国人の友人たちの姿が、とても強い姿に見えました。
「100日後に会おう」とお互い何度も抱き合いながら、彼の最初の休暇に再会することを約束し店を後にしたtjbangは、「まだ軍隊に行っていない子とは、あまり仲良くならないようにしよう」と、半分冗談半分本気で思ったのでした。
編集部:tjbang