恥ずかしいかもしれないが、最近初めて知った事実。
白磁って真っ白な色ではないんだなあ、ということ。
年が明けて、うちに初めて白磁の器を迎えた。
迎えた、というのは大げさかもしれないが、それほど気に入っているのだ。
白磁などの陶磁器を、これまで集めたことはない。ただなんとなく、新年に「まっさらに白いもの」が欲しくなったのだ。旧正月の影に隠れて、日本よりいつも大分あっさり終わってしまう韓国の新年に、アクセントをつけたのかもしれないし、行く年来る年の暴飲暴食の反動で、ことさら「清廉な」気持ちに浸りたかったのかもしれない。
今思えば豆腐でも食べておけばそれで満足していたかも、という適当さだけれど。とにかく白磁を買いにでかけた。
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陶磁器のショップといえば、伝統の街・仁寺洞(インサドン)や北村(プッチョン)。現代作家による生活陶磁器のショップを中心にまわりながら、頭に描いていたのは「曇りのないシンプルな白」だ。それは、これまで注意して見たことがない、白磁に対する漠然とした印象でもあった。
だがそこで驚いたのが、冒頭のとおり。白磁といってもいわゆる真っ白なものはなく、ニュアンスがあると表現したらいいのか、どれも少しずつ色合いが異なる。中でも、よーく見ると白の中に淡く青みがかった器が多いのが、qingにはとても新鮮だった。元は土なのに、こんな色が生まれるなんて!
種類の多様さも、目から鱗だった。冗談かと思うくらい軽い器や、洋食器のように鮮やかな絵柄で装飾されたもの、皿から茶碗、菓子器、電灯まで…。白磁=伝統の器、という先入観をくつがえす、自由で楽しい作品に溢れていた。
結局買ったのは、もったりと適度に重さのある器。繊細すぎるものは早々に壊してしまいそうだったので、手にとったときの重みと馴染み感で決めた。(根菜の類を手にとって選ぶ感覚に似ているなあと思った)
価格は2万ウォン。気に入ったものを買おうと価格はあまり気にしないようにしていたが、結果的に、勿体無くて使えないほど高すぎず、かといって無下に扱うことはないだろうというラインで、満足している。
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様々な作家の作品が並ぶ (Yido本店)
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伝統美が生かされたものから (旴一窯)
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現代的で個性ある雑貨まで (自然共感陶)
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白の中に薄く青色が混ざった白磁。 悩みに悩んでYidoで購入
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手に馴染む重さ。形も良く見ると いびつな柔らかさがある
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作り手の紹介を同封してくれた。 ささやかな気遣いが嬉しい
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去った年のあれこれを潔く整理して、まっさらなスタートを切るのも、もちろん望ましい。でも、よく見ると少しだけいびつで、どこか「含み」を抱えた白磁の白は、ある意味自然体で、これはこれで新年にぴったりなんじゃないかなあと思う。
qingも新しい思いをもちつつ、これまで過ごしてきた時間の手触りのようなものを忘れずに過ごせたらベストかなと。
コネストをご覧のみなさんの2014年も、清らかで、温もりと重みのあるものになりますように。
本年もコネストをよろしくお願いいたします。