例年にない干ばつと暑さが続く韓国。清渓川、静寂の古宮、クーラーの効いたカフェ…など涼がとれる場所はコネストでも紹介されているが、今回は、一風変わった避暑スポットをご紹介したい。
すなわち洞窟だ。
ソウルの隣、京畿洞(キョンギド)光明(クァンミョン)市にある「駕鶴(カハッ)鉱山」。日本の支配期である1900年代初頭に開山され、1912年から金・銀・銅・亜鉛が採掘されていた首都圏最大級の鉱山だ。産業転換や採掘量の低下などにより1972年に閉山されて以降は「過ぎた歳月の産物」とされていた。
そんな駕鶴鉱山を、観光次元で利用する動きが出始めたのが昨年。光明市が整備を進め、一般公開がスタートした。内部の温度は年間を通じて約12度と一定。奥深くには水が沸いているそうで、一歩入るとしっとりひんやりした空気が体にまとわりつく。かつて個々人の持つ明かり以外は暗闇だったという坑道には、探訪客のための照明が設けられている。
|
|
|
鉱山入り口 |
稼動当時の様子 |
鉱物を砕いた施設?も残されている |
|
|
|
ひんやりとした内部。かつて 海老塩辛の貯蔵庫としても使用 |
深く掘られた坑道が口を開けている |
ところどころ見える穴は、 坑道を掘ったダイナマイトの跡 |
また、月に数回開催されているのが「洞窟音楽会」。坑道内の開かれた一画が会場となり、合唱団や楽団が30分程度の演奏を行なう。洞窟の音響効果のほどはよくわからなかったが、ほの暗い照明の中、ヘルメットを被った観客が公演を聴く、というのはなかなか珍しい光景だと思った。
*****
今後は3D映画の上映や洞窟カフェなる計画まであがっており、市の夢は尽きない。ただし内部は今も坑道が深く口を開けており、安全面には万全の注意を払ってほしいと思う。また市では鉱夫として働いていた方々への聞き取りも進めているそうだが、単なる娯楽施設でなく、当時の歴史・記憶もなんとかして残されたらなーと願う。
近年、日本でも韓国でも観光化が進む「近代化遺産」に関心のある人、「鉱山萌え」「廃墟萌え」の類の方々(qing含む)はもちろん、変わった夏の避暑に関心のある人は一度覗いてみるのもいいかと。
開放時間(2012年7月1日以降):9:00~17:00
休日:旧正月・秋夕(チュソク)の連休
アクセス(2012年7月1日以降):地下鉄7号線鉄山(チョルサン、Cheolsan)駅2番出口付近(位置)より7-1バス乗車、「ティッコル」停留所下車後徒歩10分
ホームページ:光明市庁 www.gm.go.kr
※情報は2012年6月26日時点