自分の中でホットなエリアを1つ上げるなら、最近は迷わず
梨泰院(イテウォン)だ。
梨泰院といえば、ごぞんじ「多国籍な街」。米軍基地や外国大使館が近く、ソウル一外国人が集まるといわれる。日本人には
レザー専門店が人気だが、正統派おしゃれエリアというよりは、エキゾチックで一筋縄ではいかない独特さをもっている。
それがここ最近では、おしゃれ系のレストランやカフェが増殖中。エリアは少しずつ変化しているという。緑莎坪(ノッサピョン)駅は多国籍料理店の
経理団通り、また昨年8月にオープンした「
COMME des GARCONS 漢南店」を中心に
新星カフェなどが点在する漢南洞(ハンナムドン)もそれだ。
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「エキゾチックエリア」梨泰院も最近は、 |
あかぬけたレストラン・カフェが増加中 |
ハミルトンホテル裏にもこんなに |
だが昔からのトンデモ系ショップはやっぱりとんでもない。今の梨泰院が面白いのは、新旧店舗の主張がいいあんばいの「カオスさ」をつくっているからだ。だって、おしゃれレストラン、ヨン様靴下やらサングラスやらが並ぶ土産物屋、アメリカンなサイズの服屋、男の娘(こ)バーまでが一堂にそろう状況って凄い。他にはない刺激にあふれている。
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飲食店だけではなく、アート方面でも注目されているという。「
サムソン美術館 leeum」が有名だがそれだけではない。ギャルソンのB1Fもギャラリーで、今は日本の写真家・
中平卓馬の写真展が開催中。1960年代の登場以来、常にクリエイティブな挑戦をしてきた写真家の近作だ。他にも小さなギャラリーや文化空間が街にひそんでいる。
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日本での展示を経て梨泰院にきた中平卓馬写真展「キリカエ」。おすすめ! |
作品は日本の路上だが、作風はどこか梨泰院にも親和性がある気がした |
ハイアットホテル横の「PYO GALLERY」など個人ギャラリーも |
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重要なことが最後になってしまったが、忘れてはならない梨泰院の魅力。それは「ナッスル(昼から酒)しても浮かない」ということ!カフェのオープンテラスといえばコーヒー片手に、が普通かと思っていたが、梨泰院では西洋人を中心に半数がビール。これだけ昼ビールが似合う街はソウルにあるだろうか。ワインがコップでテイクアウトできる店もあり、屋台ケバブなどと一緒に食べても最高だ。
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オープンテラス・西洋人・昼ビール率高し。これぞ梨泰院フリーダム! |
歩き飲み用のワインはレートのいい「ゴールド両替所」近くの「ワイン工場」で |
中東系フードのテイクアウトもさすがにポピュラー。写真はファラフェルサンド |
かつてはソウルで1、2を争う人気だったが、日々新たなスポットが登場する現在、若干他エリアにおされ気味な感もある梨泰院。でも街は変わらず刺激的だ。昔ツアー旅行で行ったって人も、カフェ巡りしたい人も、レザーほしい人も、両替したい人も、自由で底抜けな梨泰院の魅力、一度お試しを。