アンニョンハセヨ!コッコです。今から数年前、周囲で結婚ブームがあったかと思ったら、近ごろ耳に入ってくるのはおめでたのニュース!そんな知人たちと同年代の私も興味深々で色々と話を聞かせてもらっています。
その中で、韓国人の知人から、おもしろい話を1つ聞きました。韓国では赤ちゃんが生まれたら、「三神(삼신、サムシン)」という妊娠・出産を司る神様に祭祀を行なう家庭が今でもあるのだそうです。子どもにまつわる韓国の伝統行事というと、満1歳の誕生日を祝う「トルチャンチ」という儀式があることは知っていましたが、生まれてすぐに行なう祭祀が存在するとは初めて知りました。
子どもを授け、出産そして養育までを見守る神様・三神は、家を守る「家宅神(カテッシン)」の1人で、産神(サンシン)とも言われるほか、親しみをこめて「三神ハルモニ(サムシンおばあさん)」とも呼ばれています。
シオモニ(義母)にも尋ねてみたところ、何と初孫が生まれたときに、三神に祭祀を行なったとのこと!地方や家庭によって異なるかもしれませんが、赤ん坊が生まれて7日目、14日目、21日目…と、7日ごとに7週間、ペクソルギ(白い蒸し餅)とワカメスープ、ご飯をお供えして、子どもの健やかな成長を祈願したそうです。また昔は子どもがなかなか授かりにくいときにも、女性たちはきれいに身を清めた後、この三神に祈りを捧げる習慣があったという話も聞かせてくれました。
ペクソルギ |
ワカメスープ |
三神、そして家宅神の話をとても興味深く聞いた私。韓国の家宅神について少し調べてみたら、他にも色んな神様がいました。例えば、家宅神の中でも序列1位で家の建物全体と家庭の守護神である「ソンジュシン(성주신)」、台所の神様「チョワンシン(조왕신)」、トイレの神様「チュッシン(측신)」など…。昔の韓国では家のあちこちに神様が宿っていると考えられていたんですね。
ただ、台所といっても昔は「かまど」、トイレは旧式。システムキッチンに水洗トイレの現代の韓国では、家宅神はいないと考えたり、家宅神の存在を知らないという人も少なくないのだそう。
築20年はゆうに超える我がアパートにも、神様たちはいるのでしょうか?「また食べきれずに捨てちゃって…」「今週も風呂場の掃除サボってたんだよ」なんて、夜中に会議していたりして…。家宅神という身近な神様の存在に何だか心あたたまる反面、「もっと丁寧に暮らそう…」と思ったコッコです。
編集部:コッコ