アンニョンハセヨ!コッコです。先週末から最高気温が10度前後の日が続いているソウル。大分あたたかくなり、吹く風にもどこか春の訪れを感じるものの、朝晩はまだまだ冷え込む2月下旬のこの時期。もうしばらくはコートが手放せない日々です。
さて先日、平日の夜ですが、いつものように布団に入ってうつらうつらしていたら、窓の外から独特のリズムで繰り返される大きな呼び声が聞こえてきました。時間は夜中の0時頃。まだ寒い冬の夜、静まり返った深夜の住宅街におじさんの声が響きます。一瞬、「酒に酔ったおっちゃんかー」と思いましたが、よく耳を澄ませてみたら、「ちゃぷさぁ〜るとぉ〜っく」「めぇ〜み〜るむぅ〜っく」と言っているではありませんか。
「ちゃぷさぁ〜るとぉ〜っく」は、「チャプサルトッ(あんこ餅)」、「めぇ〜み〜るむぅ〜っく」は、「メミルムッ(蕎麦粉を原料にゼリー状に固めた食べ物)」のこと。
韓国に住んで5年が経とうとしてますが、初めて出会うあんこ餅&メミルムッ売りのおじさんだったのです。
日本では秋冬になると「い〜しや〜きいも〜」という呼び声を流しながら町内を巡回する石焼芋屋を見かけますが、まさにあの感じ!ただ、あんこ餅&メミルムッ売りは、トラックに乗ってではなく肩から大きな箱をさげ、スピーカーではなく地声で呼びかけながら売り歩いていました。
日本の石焼芋屋がそうであるように、韓国ではあんこ餅&メミルムッ売りの存在は冬の風物詩的なもののようです。韓国の地方出身の夫は、「小さい頃は冬になると夜あの声をよく聞いたものだけど、最近も売ってるんだ」と懐かしそうにしていました。
でも、なぜ冬の夜にあんこ餅?そしてなぜメミルムッとセットで売ってるの??韓国人の間でもそんな素朴な疑問を持つ人は多いようで、少し調べてみたらいろんな説が出てきました。
「どちらも夜食に最適だから」「あんこ餅のあんこは腐りやすい。空気の冷たい冬の夜に売っていた昔の習慣が現在まで続いている」などなど諸説があるようです。
価格はどちらも1パック4,000〜5,000ウォンが相場のよう。街のお店に比べたら少々値は張るものの、時間帯や販売スタイルを考えれば妥当な価格ではないでしょうか。
冬がそろそろ終わろうとしていますが、今度もしまたあの声を聞けたら、ひとつ買いに行ってみたいと思います。
編集部:コッコ