韓国語を勉強するため、大学付属の語学学校、語学堂(オハッタン)に通ったことがあると話すと、韓国語学習についての相談を受けることがあります。思えば、自分の名前をハングルで書けるよう練習した日から数年経ちました。
日本にいらっしゃる方から、韓国にいらっしゃる方、学生の方、主婦の方、状況は様々。自分が経験してきたことについての主観的な見方しかできませんが、どなたかの参考になるかと、この機会にまとめてみたいと思います。
カルチャーセンター(日本)
2011年 夏(2ヶ月) 週1回2時間
ハングル練習帳を買い、練習した後に初心者向けの教科書も買いました。教科書は良かったのですが、一人で机に向かえないという致命的な点で独学には限界があると感じ、地域のカルチャーセンターへ。
しかしこのカルチャーセンターは、韓国文化に興味を持っている人々が集まってお話するといったゆる~い感じ。特に教科書もなく、主として日本語でのフリートーク。先生のお話は面白かったですが、語学力が伸びたという感じは全くしませんでした…。
多文化センター(韓国・ソウル)
2013年 春(3ヶ月) 初級 週2回2時間
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男性も3人いた初級のクラスメイトと
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初級の教科書とイベントの案内
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簡単な単語すらおぼつかない状態ではじまった、シデク(義両親宅)での同居生活。その間、多文化家族支援センター(多文化(タムナ)センター)へ通いました。
韓国では、国際結婚家庭や外国人労働者や移住民を含む家庭を多文化家族と呼びます。その多文化家族を支援する多文化センターは地域ごとにあり、韓国語教育や相談、イベントなど、様々な支援をしています。
韓国語の授業はほとんどの場合無料で開催されていますが、クラス編成やカリキュラム、授業開始時期など、それぞれの多文化センターでかなり違いがあります。私は初級の授業すら全然わからず、授業についていくために日本からもってきた教材を一生懸命したことが逆に力になりました。
多文化センターの授業は、基本的に韓国人と結婚した外国人女性向けで、日常生活に密着した単語や、韓国の風習を多く学びます。また、お子さんを預かってくれるオリニチプが併設されているところも多いです。
檀國大学韓国語語学堂(韓国・天安)
2013年 秋・冬学期(6ヶ月) 2級、3級 平日毎日4時間
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語学堂の建物
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選択制の文化体験
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天安(チョナン)に引越し、檀國(タングッ)大学の語学堂に通うことに。こちらはカリキュラムが変更になる時期に居合わせてしまい、混乱も多かったのでストレスがたまり、ソウルの語学堂に通うことを決意しました。
地方の語学堂がすべてそうだとは思いませんが、先生の教え方の上手下手にばらつきがあり、文化体験が前週に決まる、個人情報の扱いに不安があるなど気になる点が多かったです。
延世大学韓国語語学堂(韓国・ソウル)
2014年 春・夏・秋・冬学期 正規課程(3級~6級) 平日毎日4時間
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語学堂の建物前の坂
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教科書が重い!
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韓国にはたくさんの語学堂がありますが、延世(ヨンセ)大学が一番厳しく、学費と教科書が高いと思います。当初は午後の授業に通っていましたが、午後に発音や文法クラスなどの特別授業が不定期で開催されると知り、途中から午前授業に変更しました。
語学堂は、語学堂卒業後に韓国の大学に入学する学生を対象にカリキュラムが考えられているので、級が上がるごとに社会問題を扱ったり、学問的な面が強くなります。また、文書を作って発表をすることも多いので、パソコンスキルが必要です。
私が延世に通ってよかったと思うことは、教材とカリキュラムが良かったこと、様々な先生の授業を受けることができたこと(数多くの選択授業があった、色んなしゃべり方や考え方に触れることができた)、様々な文化体験ができたこと、多国籍な友達ができたことです。
TOPIKについて
韓国語能力試験(TOPIK)については、専用の勉強をしたことはありませんでした。語学堂に通いながら、学期ごとに受けて、その通りの級を取得していきました。TOPIKは2年で資格が失効するので、私は以前に取得した資格が失効しており、今年再度受ける予定です。
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TOPIKのホームページメイン画面
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受ける分だけ溜まっていく専用のペン…
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以上、韓国語学習遍歴でした。主人は韓国人ですが、日本語堪能で韓国では日本語を使う機会がないため、主人とは頑なに日本語をしゃべり続けています(笑)。
なんとかかんとか語学堂を卒業できた、私の韓国語学習のモチベーションは、文句を言い返したい!これに尽きました。もちろん日常生活を不便なく送るために、ということもあるのですが…それよりも、言いたいことを言えないのがとてもストレスだったんです。
今や並んでいて横入りされそうになっても、タクシーのアジョッシに不機嫌にさせられようとも、ご飯屋さんでなかなか注文した品が来なくても、一言物申す程度の語学力と瞬発力を手に入れて、それなりに満足しています。
それでも、義両親との会話ではまだまだ主人の助けが必要ですし、外国語の勉強とは、きっと終わりがないものなのでしょう。これからは語学力の低下を防ぎつつ、興味のある本などに触れながら無理なく語彙を増やしていけたらと思います。
編集部:ふぐやん