韓国というところは・・・なんだか適当な国である。というのはよく耳にする話。その適当さにどっぷり浸かってしまっている編集部ミキがお届けしております。
さて、本日のテーマは「地下鉄の物売り」=地下鉄デパート(略して「地下デパ」)です。
ソウルの地下鉄に乗っていると、電車の中で突然おじさん(たまにおばさん)が「乗客の皆さんアンニョンハセヨ〜」と商売を始めます。よく売られているのは傘、CD、電池、腰巻き、懐中電灯などです。季節や路線によって品揃いも特徴あり。登山客が多い6、7号線では登山グッズ、夏には帽子、ハンカチ、ウチワ、冬には防寒グッズ、と気の利いたラインアップ!
価格帯は1000ウォン〜5000ウォン。中には「誰が買うんだろ?」というヘンテコな物まであるんですが、意外や意外、これが結構売れるんです。ベテランの物売りとなると、飛ぶ鳥を落として参鶏湯(サムゲタン)にして食っちゃいそうな勢いです。
私と「地下鉄の物売り」との出合いは地下鉄1号線内でした。電車のドアが開き入ってきたのは、顔一面にキュウリの輪切りをくっつけているおじさん。「何だ、このおじさんは!」と驚いて辺りを見回してみても、誰ひとり気にも止めない様子。するとおじさんは陽気な口調で「野菜スライサー」を売り始めました。そうです!おじさんの顔に貼られたキュウリたちは、このスライサーがいかによく切れるかの証明だったのです!
初めて物売りに遭遇した私は興味津々で、おじさんが次から次へと野菜を切っていく様子に見とれていました。するとおじさんが私のほうへ寄ってきて、私の手の甲にキュウリをペタッとくっつけて去っていきました。あり得ない・・当時韓国生活にあまり馴染めていなかった私にとっては、十分すぎるほどの衝撃でした。
まあ驚いたのも最初だけで、この1年半ほどで実にいろんなものに手を出しました。地下鉄物売り購入のポイントとしては「欲しい!」と思った瞬間に買うこと。でないとおじさんたちは次の車両に移動してしまうのです。「買います!」という意思表示をはっきりするのも大切ですよ。後腐れのないお手頃価格なので、迷う時間がもったいない!あとは勇気を出して「アジョッシ〜(おじさん)!」と叫びましょう。
エッヘン。写真は私の戦利品の中でも、ご自慢の一品。「ソウル地下鉄路線図入りハンカチ」--1000ウォン也。これさえあれば汗も拭けるし、乗り換えだってラクラク〜!こんなに便利なハンカチを私の友人たちは馬鹿にしたりしますが、こういう韓国ならではのおもしろグッズ、お土産にもいいと思いませんか?
しかし謎なのは、あの物売りたちがどこから来てどこへ消えていくのか・・ということ。それはさておき、販売パフォーマンスだけでも十分に見ごたえあるので、皆さんも地下鉄に乗ったらぜひチェックしてみてくださいね! 編集部:ミキ