漫画好きの私にありがたい存在なのが、韓国のあちこちにある「貸し漫画屋さん」である。
たいていの場合、レンタルビデオ屋と一緒になっていて、一日300ウォン(30円)程度で漫画を借りれるのだ。ちょっと著作権上大丈夫なのか?と心配してしまうぐらいの安さであるが、私はすっかり通いつめてしまっている。
置いてある漫画の半分は、日本の漫画の翻訳本だ。「20世紀少年」やら「NANA」やら「リアル」などの新刊もすぐ入る。不思議にも、韓国語に訳されていても意外と違和感がなく楽しめる。なもんで、韓国に来ても、しばらくはずっと日本の漫画の韓国語版ばかり読んでいた。
純韓国漫画はというと、どうも絵が受けつけなくて、なんとなく避けていた。が、ある日、コネストの韓国人スタッフからおもしろいと聞いて、ふと手にとったのがこの漫画、「궁(宮)」(パク・ソヒ著)。
これがなかなか面白い!
「もし韓国に、日本のように皇室が存在したら」という仮想をもとにしたストーリー。現実には日本の支配によって幕を閉じてしまった朝鮮王朝だが、この漫画の中では王室が健在で、京福宮や昌徳宮で普通に王族が住んでいる。平凡な女子高生が、突然皇太子と結婚させられ、皇太子妃になってしまうという、いかにも少女漫画な内容だが、女の子の間でかなり人気のようで、来年にはドラマ化されるという。
この漫画をきっかけに純韓国漫画を読むようになったのだが、訳せば日本でも充分ウケると思うレベルの漫画がけっこうある。やはり日本の漫画の影響は大きいようだが、「宮」のように、韓国ならではのエッセンスを取り入れて、これからもどんどん面白い漫画が出てくることを願っている。
ところで、韓国では漫画はまだまだ「いい大人が読んでいては恥ずかしい」という地位にあるようだ。外で人を待ってるときや電車の中なんかでつい私は漫画を読んじゃうのだが、「恥ずかしいからやめろ」と言われてしまう。そういえば喫茶店にもラーメン屋にも漫画がおいてない・・・
そうこうしている間に会社で「オタク」というレッテルを張られてしまったのだが、韓国でも漫画の地位が向上することを願うばかりである。(編集部:mmkim)