9月下旬から2週間ほど、ソウル市内で入院することになりました。
海外で深刻な病気・ケガのため入院する場合、病状や医師との意思疎通、費用や保険手続きなどが気になりますが、今回の入院先は「産後調理院」という、出産直後の女性が「調理(조리=養生、休養)」をする施設です。.
この場合、一番の懸念は「食事が辛かったりマズかったりしたらどうしよう
」という事です。
2年前の秋、D広域市の産後調理院に入院した際は、地方都市ながらもイケてる地区の病院(入院費は庶民的でしたが)で、洋食・中華系も多い献立でした。また、その年は白菜高騰のため「赤い白菜キムチ→白菜の浮いた水キムチ」というメニュー変更があり、「辛い度」の低い2週間となりました。
が、一日4回(朝・昼・夕・夜)の食事にはほぼ毎回大盛りのワカメスープが出て、数日でゲッソリしたものです。←体重は減りませんでしたが。
今回はどうでしょうか。入院先のU区は、Y区やG区のようなオシャレ地区でない事もあり、多少の不安を感じつつ産後調理院の食堂に向かったのでした。
おお、ほぼ完全に韓食です。しかも、何だか「赤い系」おかずが多い気がします。
が、食べてみると、殆ど辛くありません。のり巻きやエビフライなどは当然ですが、トッポッキやタチウオ煮つけなど、辛いのが常識とされる料理でも同様です。さらに、キムチは毎食「水キムチ」でした。
ここでも「一日4回のワカメスープ」は登場しました。50回以上の食事で、ワカメスープが出なかったのは参鶏湯、カルビタン、ソルロンタンが出た時(つまり、3回だけ)のみでした
産後&授乳中の韓国の伝統食とはいえ、こんなに大量の海藻を連続摂取すると、どこか体の別の部分に悪いのでは・・・?
餅(これは午後の間食)、イシモチの姿焼き、祭祀用のジョン(肉や野菜の焼きもの)などが多く出たのは、秋夕時期だったためのようで、10月1日以降は通常メニューが復活しました。
1日に2回ほど「謎の韓方濃縮液」を服用するのも、どうやら産後調理院の常識のようです。←ただし、前回は魚類や肝油など「動物系」が多く、今回は毎回「植物系」という内容差はありました。
「韓食続きで2週間」という食事内容の他に、外国人入院者にとっての難関は「食堂で同卓の入院者数人と世間話をしながら食べる」ことです。
買い物や仕事、病状の説明など「用件のある相手と、必要事項について」話すよりも、「わりとどうでもよい事を、複数の人間と」話すほうが難しかったりします。もっとも、よく見ると、皆で黙々と食べている卓もあります。
入院中、食事に関するアンケートを記入する機会がありました。「カレーライスは激マズでした
」とか「ワカメスープにゲッソリ
」とか書いたら無記名でも記入者がバレそうなので(というか、感想欄の記入者そのものが殆どいなかったような・・・)断念しましたが。
なお、ソウルの普通の調理院の場合、「個室滞在+スタッフによる新生児の世話+部屋掃除や下着類洗濯+食事+授業(おもに育児関係)+エステやヨガなどのサービス」込みの入院費が2週間で200万ウォン前後というのが相場のようです。
が、婦人雑誌などを見ると「VVIP室:2週間750万ウォン」とかいう、どこの高級ホテルか
というセレブ調理院も紹介されています。
まんいち入院の予定がある方は、予算やサービス、そして食事などをじっくりチェックの上でご検討を